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膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼

猫の膝蓋骨脱臼とは

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)とは、膝蓋骨と呼ばれる膝のお皿の骨が本来の位置からずれている状態をいいます。

膝蓋骨が内側にずれることを内包脱臼(ないほうだっきゅう)、外側にずれることを外方脱臼(がいほうだっきゅう)といいます。猫ではほとんどが内包脱臼で、両足脱臼することが多いのも特徴の一つです。


膝蓋骨脱臼は小型犬に多いイメージですが、猫でもまれにみられます。猫は犬よりも高いところから飛び降りたり、ジャンプしたりするのでもともとの体の作りがクッション性に優れている動物ですが、強い外力がかかると膝蓋骨が脱臼することがあります。


膝蓋骨脱臼は、生まれつき脱臼しやすい先天性膝蓋骨脱臼と、外からの圧力やケガによる外傷性膝蓋骨脱臼に分かれます。

猫では先天性膝蓋骨脱臼が多く、ペルシャ、スコティッシュ・フォールド、メインクーンなどが特に発症しやすいといわれています。


<正常な膝関節の模式図>

脱臼

猫の膝蓋骨脱臼の症状

脱臼の程度によってさまざまな症状を示します。

脱臼の程度が軽症であれば、膝蓋骨は自然に元の位置にすぐ戻るか無症状のこともあります。

重症化している場合は、膝蓋骨が正常な位置に戻らず、常に痛がったり、歩き方がおかしくなったりします。

軽症の場合すぐに気づくのは難しいかもしれませんが、少しでも歩き方におかしな様子が見られた場合は動物病院に連れて行きましょう。

猫の膝蓋骨脱臼の症状は以下の通りです。


<猫の膝蓋骨脱臼の症状>

・足を痛がる
・足を引きずって歩く(跛行:はこう)
・足が曲がって伸びなくなる
・足がねじれる
・歩くのを嫌がる
・高い所に登らなくなる
など

猫の膝蓋骨脱臼の原因

猫の膝蓋骨脱臼のほとんどは先天性といわれているため、原因は不明です。

遺伝的に膝蓋骨脱臼がよく起こるといわれている猫種が、ペルシャ、スコティッシュ・フォールド、メインクーンです。こちらの猫種を飼われている方は、足を引きずっているなどの症状がみられた場合は膝蓋骨脱臼を疑ってみても良いかもしれません。


もう一つの原因は外傷性の膝蓋骨脱臼です。高いところから飛び降りて着地に失敗したり、壁に強くぶつかってしまったりなどが原因で膝蓋骨が脱臼することもあります。

猫の膝蓋骨脱臼の予防方法

先天性の膝蓋骨脱臼の場合は予防方法がありません。

特になりやすい猫種を飼われている飼い主様は足に異変を感じた場合は、すぐに動物病院に連れて行くようにしましょう。


外傷性膝蓋骨脱臼の予防方法は、高い所から飛び降りても足が滑らないように床にマットを敷くなどです。

壁に強くぶつかることや、大きな外力がかかることはなかなか想像がつきにくいかもしれませんが、猫は突然驚かされたりすることが苦手な動物なので想定の範囲外の行動をとることもあります。そのため、急に驚かせたりしないように注意しましょう。

猫が膝蓋骨脱臼になってしまったら

脱臼の程度が軽い場合は、特に何もしないこともあります。太りすぎなどのその他の要因があるときは、体重を減らすなど健康面の管理を行いましょう。


脱臼の程度が重い場合は、まず脱臼の程度がどの程度なのかを4つの段階にグレード分けします。

グレードの分類では、膝蓋骨がどこの位置にあるか、手で元の位置に戻すことができるかどうかを元に分類分けを行います。グレード分類表を以下に記します。


部位 症状
グレード1 膝蓋骨を手で押すと脱臼し、通常は滑車溝に収まっている状態です。普段症状はないですが、ときどき症状が出ます。
グレード2 膝蓋骨が自然に脱臼と整復を繰り返し、無症状から重度の跛行まで状態はさまざまです。(軽度の骨格変形)
グレード3 膝蓋骨は手で整復できますが、普段は脱臼している状態です。骨格の変形が目立ち跛行するようになります。
グレード4 膝蓋骨は常に脱臼しており、手で整復ができません。滑車溝が浅いもしくは欠損し、骨格の変形が重度で跛行するようになります。

治療方法は症状によって変わります。症状が軽い場合は、鎮痛薬の投与や、運動制限をすることでよくなります。


脱臼の程度が重症の場合は外科治療が必要になることもあります。手術方法の一つとして膝蓋骨が収まる滑車溝(かっしゃこう)を深くすることで、膝蓋骨が脱臼しないようにする大腿骨滑車形成術(だいたいこつかっしゃけいせいじゅつ)という方法があります。

手術後は再脱臼しないように、1~3ヶ月かけて運動制限や体重管理を行いもとの生活に徐々に慣れさせていくことが大切です。


<大腿骨滑車形成術の模式図>

脱臼2


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