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ピルビンキナーゼ欠損症

ピルビンキナーゼ欠損症

猫のピルビンキナーゼ欠損症とは

猫のピルビンキナーゼ欠損症(PK-Def:Pyruvate kinase deficiency)とは、遺伝性の血液疾患です。


ピルビンキナーゼは赤血球の機能を保つのに重要な酵素で、これが遺伝的に欠損していることにより、赤血球が壊れ、貧血を引き起こします。


アビシニアンやソマリで、ピルビンキナーゼ欠損症の遺伝子変異が多くみられるといわれています。


他の純血種や雑種の猫でも、遺伝子変異を持っていることが報告されています。


なお、犬や人でもピルビンキナーゼ欠損症がみられます。

猫のピルビンキナーゼ欠損症の症状

ピルビンキナーゼ欠損症は、赤血球が壊れて起こる貧血、すなわち溶血性貧血を起こします。


ピルビンキナーゼ欠損症の症状は、以下のようなものがあります。


<ピルビンキナーゼ欠損症の症状>

・元気がない
・食欲がない
・口の粘膜などが白っぽい
・体重減少
・毛艶が悪い
・白眼や皮膚が黄色くなる黄疸(おうだん)
など


症状の重症度や発症時期はさまざまです。


軽症例では、赤血球の寿命が短くなっている状態をある程度補うほど、赤血球の産生が早くなっている例もあり、その場合は症状が出にくいことがあります。

猫のピルビンキナーゼ欠損症の原因

ピルビンキナーゼ欠損症は、遺伝子変異部位が特定されている遺伝性疾患です。


ピルビンキナーゼ欠損症は、常染色体劣性(潜性)遺伝です。


常染色体とは、体の性を決定する性染色体以外の染色体であり、2本で1対となり、1本ずつ親から受け継ぎます。


劣性遺伝による遺伝性疾患は、親から受け継ぐどちらにも遺伝子変異がある状態で発症する疾患のことです。


遺伝子変異をひとつだけ持っている個体はキャリア(遺伝子変異の保因者)と呼ばれます。


キャリアに関しての報告はあまりありませんが、血液検査上、貧血に関して異常がみられないか、または軽度であると考えられています。


ピルビンキナーゼ欠損症の検査は以下のようなものが挙げられます。


<ピルビンキナーゼ欠損症の検査>

・血液検査
・X線検査
・超音波検査
・遺伝子検査
など


ピルビンキナーゼ欠損症は、免疫介在性溶血性貧血や、ヘモプラズマ感染症などと区別する必要があります。

※免疫介在性溶血性貧血とは、免疫の異常により赤血球が壊され、貧血が起こる血液疾患


他にも必要な検査があれば、行われます。

猫のピルビンキナーゼ欠損症の予防方法

ピルビンキナーゼ欠損症の予防方法はありません。


ピルビンキナーゼ欠損症の遺伝子変異を持つ猫を繁殖に使わないなど、ピルビンキナーゼ欠損症の猫が生まれないようにすることが大切です。


また、ピルビンキナーゼ欠損症の猫のきょうだいや血縁のある猫も遺伝子変異を持っている可能性があり、注意が必要です。


ピルビンキナーゼ欠損症は、軽症であれば症状が分かりにくい例や、何年か経過してから発症する例もしばしばみられます。


そのため、アビシニアンやソマリ、その血縁の猫では、繁殖前に遺伝子検査を行うことを専門家はすすめています。


遺伝子変異を持っているかは、遺伝子検査で確認できます。

猫がピルビンキナーゼ欠損症になってしまったら

ピルビンキナーゼ欠損症の治療は限られています。


脾臓の摘出や貧血を一時的に改善するために行われる輸血、激しい運動を避けるなどです。


ピルビンキナーゼ欠損症の全ての猫で脾臓摘出や輸血が行われるわけではなく、猫の状況や飼い主様の希望などで、選択されます。


重症例では、最終的に貧血が改善せず死亡するか、安楽死が選択されることもあります。


元気がない、食欲が下がるなど、おかしい様子が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。

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