電話 0120-56-3912(サンキューワンニャンと覚えてください。)
受付時間 平日10:00〜17:00
  1. ペット保険のFPC
  2. 犬の病気事典
  3. 多発性骨髄腫

多発性骨髄腫

多発性骨髄腫

犬の多発性骨髄腫とは

犬の多発性骨髄腫(MM:Multiple Myeloma)とは、骨髄で形質細胞という免疫に関係する細胞が増殖した悪性腫瘍です。


形質細胞は血液細胞のひとつで、多発性骨髄腫は白血病リンパ腫と並び、血液のがんのひとつです。


8~9歳ほどでよく発症します。

犬の多発性骨髄腫の症状

多発性骨髄腫の症状は、以下のようなものが挙げられます。


<多発性骨髄腫の症状>

・よく寝ている
・足をかばうようにひょこひょこと歩く
・体を痛がる
・水をよく飲む
・尿の量が多い
など


多発性骨髄腫では、骨髄の腫瘍細胞が骨を溶かし、痛みを引き起こします。


重度になると病的骨折が起こることもあります。


多発性骨髄腫を発症した犬の中には、腫瘍化した形質細胞がタンパク質(抗体)を多量に産生し、血液の粘り気が異常に強い状態になる犬もいます。


これを過粘稠度症候群(かねんちょうどしょうこうぐん)といい、
・神経障害(よく眠る、衰弱、歩行障害など)
・眼底疾患(網膜血管の異常、網膜出血、失明など)
・出血しやすくなる
・腎障害
・血圧異常
・心機能の異常
などの症状がみられます。


他には、貧血が起こることもあります。

犬の多発性骨髄腫の原因

多発性骨髄腫は、骨髄で形質細胞が増殖し腫瘍となったものです。


多発性骨髄腫は、
① 骨が溶けている像
② 骨髄中の形質細胞の増加
③ 尿中の特殊なタンパク(ベンスジョーンズ蛋白)の検出
④ 血液中の特定のタンパク質(抗体)の異常な増加(モノクローナルガンモパシ―)
のうちの2つ以上が満たされていることで、診断されます。


しかし、多発性骨髄腫の初期では、これらの条件を満たすのが難しいこともあります。


多発性骨髄腫の検査は、以下のようなものが挙げられます。


<多発性骨髄腫の検査>

・血液検査(蛋白電気泳動含む)
・X線検査
・超音波検査
・骨髄穿刺(こつずいせんし)
・尿中ベンスジョーンズ蛋白の検出(外部機関へ依頼)
・眼底検査
・神経学的検査
・血圧測定
など

※蛋白電気泳動(たんぱくでんきえいどう)とは、血液中のタンパク質の種類を分け、波形化して割合を比較する検査。特定のタンパク質の異常な増殖などがわかる。検査は外部機関へ依頼する。


骨髄穿刺では、骨髄中の細胞を調べるために、全身麻酔をかけて、専用の器具で骨髄から細胞などを採取し、それを顕微鏡で観察します。


検査では、過粘稠度症候群による症状が出ていないかもみていくことがあります。

犬の多発性骨髄腫の予防方法

多発性骨髄腫の予防方法は、特にありません。


犬におかしい様子が見られたら、動物病院に連れて行きましょう。

犬が多発性骨髄腫になってしまったら

多発性骨髄腫の治療は、
・ステロイド剤
・メルファラン(抗がん剤)
を投与します。


多発性骨髄腫の多くの犬は、これらの治療を始めると、部分的または全体的に腫瘍を抑えることができます。


これらの治療に反応がない、または反応しなくなってしまった場合は、一般的に、リンパ腫でも使われる抗がん剤を使用していきます。


病的骨折が起こっており、手術が必要な場合は、それも行われます。


また、腎不全の治療や、その他の症状を和らげるため、輸液療法なども行い、体の状態を整えます。


足を痛がったり、いつもと違う様子があったりしたら、動物病院に連れて行き、異常がないか診てもらいましょう。

他の腫瘍の病気一覧

一覧に戻る

※こちらに掲載している情報は、十分に検討・確認した内容となりますが、その正確性、安全性、有用性などについて何ら保証するものではありません。 コンテンツのご利用により、直接または間接であるかを問わず、万が一何らかの問題、損害・損失が発生した場合でも、弊社は一切の責任を負いかねます。コンテンツのご閲覧・ご利用等にあたっては、お客さまご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。 特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。