
「MILK」と書かれた容器に入った白い液体を、猫がおいしそうに飲んでいるシーンをしばしば見かけますよね。
牛乳は、カルシウムだけでなく、良質なたんぱく質やビタミン類など多くの栄養素をバランス良く含んでいます。
そのため、私たち人間にとっては理想的な栄養食品と言われ、牛乳を含む乳製品を積極的に摂取することが推奨されています。
そのような牛乳を、猫も積極的に飲んだ方が良いのでしょうか?

猫に牛乳をあげても大丈夫?
牛乳は人間にとって、手軽でおいしく、かつ、理想的な栄養食品と言われています。そのため、猫も好きだろうと考えて、つい与えたくなるものです。
牛乳は、猫にとって危険な成分が含まれているわけでは無いので、飲んでも問題はありません。
しかし、牛乳を猫に積極的に与えることはおすすめしません。
牛乳の成分の特徴と注意点
栄養バランスがよい
牛乳は、たんぱく質、脂質、炭水化物という三大栄養素に加え、不足しがちなカルシウムなどのミネラル、更にはビタミンA、ビタミンB2などを豊富に含む、栄養バランスに優れた食品です。
乳糖
牛乳には「乳糖」という成分が含まれています。
猫は、この乳糖をうまく消化・吸収できず、下痢を引き起こすことがあるので注意が必要です。
ただし、猫が牛乳を飲んだからといって必ず下痢になるわけではなく、個体差があります。また、その時の体調や飲む量、牛乳の温度などよっても違いがあるため、一概に「飲んではいけない」とは言えません。
一般的には、体調が悪い時や、子猫、シニア猫が牛乳を飲むと下痢になりやすいので、牛乳は控えておくのが良いでしょう。
アレルギー
「牛乳アレルギー」は、食物アレルギーのひとつです。
牛乳に含まれる「カゼイン」などのタンパク質が原因となり、これらを摂取した後にアレルギー反応が起こり、腹痛・下痢・じんましん、更には、呼吸困難やアナフィラキシー症状などが起こります。
牛乳アレルギーを持っている猫には、絶対に牛乳を与えないように。また、はじめて猫に牛乳を与える場合は、まずはごく少量を与えてみて、アレルギー反応が出ないか、様子を見るようにしてください。
牛乳をあげる時に気をつけることは?
猫は、牛乳に含まれる乳糖という成分を分解する「ラクターゼ」という酵素が不足しており、牛乳を飲んだ際に「乳糖」を適切に分解することができません。
乳糖を分解できないために、下痢を起こすことになります。これを乳糖不耐症と言います。もちろん、全ての猫が必ず乳糖不耐症というわけではないので、牛乳が好きで、飲んでも平気な猫はいます。
しかし、乳糖不耐症の場合に無理して牛乳を飲ませることで、下痢を発症し、体調を崩す恐れがあります。
どうしても牛乳をあげたい時は、牛乳を人肌に温め、少量ずつ、様子を見ながら飲ませるようにしましょう。
また、牛乳は乳製品でもあり、乳のアレルギーを持っている場合は、牛乳は与えないようにしましょう。
水分補給の代わりとして牛乳をあげる人もいますが、栄養バランスが崩れる恐れがあります。
普段の食事に加えて日常的に牛乳をあげる必要はありません。
どうしても飲ませたい、また牛乳を欲しがる場合には、猫用ミルクを使ってみましょう。
乳糖を調整・除去し、栄養バランスも調整してありますので、安心して使うことができます。目的や年齢に応じて選ぶようにしましょう。

まとめ
猫には白いミルク、というイメージがあり、人間の体に良い牛乳をつい飲ませたくなります。
しかし、乳糖やアレルギーの心配もあり、牛乳を飲ませることでかえって体調が崩れてしまうこともあります。
できるだけ猫用ミルクなどを使うことを検討して、しかしどうしても牛乳をあげたい時には、無理せず、少量に留めましょう。