電話 0120-56-3912(サンキューワンニャンと覚えてください。)
受付時間 平日10:00〜17:00
  1. ペット保険のFPC
  2. 猫の病気事典
  3. 歯肉炎

歯肉炎

歯肉炎

猫の歯肉炎とは

歯肉炎とは、歯肉に炎症が起こっている状態で、炎症が起こっている歯肉は赤く腫れ、痛みを伴います。


歯肉炎は、治療を行ってもなかなか治らず慢性的な経過をたどることも多いです。


全ての歯肉で炎症が起こることもあれば、一部だけのときもあります。

猫の歯肉炎の症状

歯肉炎の症状は以下のようなものがみられます。


<歯肉炎の症状>

・口臭

・何かに口が当たったり、食事を口に入れたりしたときに、ギャッと鳴く

・頭を振りながら食べる

・頭を傾けて片側で食べる

・食べた後に食事が散らばっている

・食事を食べたそうにするが、痛がり食べるのをやめる

・よだれが多い(血が混じる)

・口を触られるのを嫌がる

・口を開けたがらない

・歯肉が赤く腫れている

など


歯肉炎で食事をすることが難しくなると、体重減少もみられます。


通常、歯肉炎だけではなく口内炎も同時に起こることが多いです。


また、歯肉炎と同時に歯根(歯の根元)が吸収されて歯根が溶けてなくなることもよくみられます。

猫の歯肉炎の原因

歯肉炎になるはっきりした原因や仕組みは分かっていません。


ただ、猫免疫不全ウイルス(FIV)猫白血病ウイルス(FeLV)に感染していると歯肉炎になりやすくなります。

さらに、細菌感染も歯肉炎の状態を悪化させます。


歯肉炎の検査は以下のようなものが挙げられます。


<歯肉炎の検査>

・視診(口を開けることが可能であれば)

・FIV検査/ FeLV検査

・血液検査

・X線検査

など


治療を行う前に、腎臓やその他の臓器、歯や顎の状態などを確認するために、血液検査やX線検査が行われることがあります。

猫の歯肉炎の予防方法

上記のように、猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症や猫白血病ウイルス(FeLV)感染症にかかっていると、歯肉炎になりやすいといわれています。


また、歯肉炎と同時に起こりやすい口内炎や舌炎は、猫ヘルペスウイルス猫カリシウイルスに感染すると、よりなりやすくなります。


完全室内飼育やワクチン接種を行い、それらのウイルスからある程度防御することで、歯肉炎になる確率を下げることができるかもしれません。
(猫免疫不全ウイルスや猫白血病ウイルスのワクチン接種は獣医師に要相談)

猫が歯肉炎になってしまったら

歯肉炎の外科的、内科的治療はそれぞれ以下のようなものが挙げられます。


<歯肉炎の内科的治療>

・ステロイド(内服あるいは長期作用のあるステロイドを注射)

・消炎鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症剤)

・シクロスポリン

・口腔内へのブプレノルフィンの滴下(鎮痛目的)

・抗生剤

・インターフェロン

・サプリメント

など


<歯肉炎の外科的治療>

・歯石の除去(スケーリング・ポリッシング)

・全臼歯抜歯や全顎抜歯


歯肉炎の内科的治療では炎症や痛みを抑えるためにステロイドの内服か、長期作用のあるステロイドの注射、それと共に抗生剤を使用します。
非ステロイド性抗炎症剤などの鎮痛剤が使用されることもあります。

歯肉炎では痛みで口を開けることや投薬が難しいことが多いので、炎症がひどく痛みが強い場合は注射で投薬されます。


しかし、これらの内科的治療では完治が難しく、最終的に外科的治療である全臼歯(ぜんきゅうし)抜歯や全顎(ぜんがく)抜歯が選択されることも多いです。


内科的治療で行う長期的なステロイド治療、特に長期作用のあるステロイドの注射を繰り返すと、糖尿病になってしまう猫もいます。
また、鎮痛薬としても使われる非ステロイド性抗炎症剤は、腎障害を急速に悪化させてしまう恐れがあります。


歯肉炎というよりは歯肉の奥で歯を支えている歯周組織の炎症(歯周炎)であった場合は、歯石の除去(スケーリング・ポリッシング)を行うと改善がみられます。
しかし、実際は歯周炎単独という例はほとんどありません。


歯石を除去した後は家庭で毎日の歯磨きを行い歯石が付かないようにします。
歯石除去を行った後に歯みがきを行わないと、数か月で歯石が元の状態に戻るかそれ以上に付いてしまうことがあるので、注意が必要です。


歯肉炎に最も効果のある治療は、全臼歯(ぜんきゅうし)抜歯、あるいは全顎(ぜんがく)抜歯とされています。


全臼歯抜歯とは、犬歯と切歯(犬歯の間の前歯)を残し、それ以外の歯を抜歯することです。


全顎抜歯とは、犬歯や切歯も含めた、生えている歯を全て抜くことです。


人は歯がないと固形物を食べることが難しくなりますが、猫は飲み込める大きさであればほとんど噛まずに飲み込めます。
全臼歯抜歯あるいは全顎抜歯を行っても、ドライフードも食べることができ、食事に関してさほど不自由することはありません。


全臼歯抜歯で痛みなどの症状に改善がみられない場合は、全顎抜歯が検討されます。
全ての歯の中で、犬歯の抜歯は他の歯より大がかりです。
特に下顎の犬歯は、歯周病などで下顎がもろくなっている場合、抜歯時に下顎骨折の危険性もあります。


中には、全臼歯抜歯や全顎抜歯を行っても、炎症や痛み、よだれ、食事がしにくいなどの症状が、改善しない場合もあります。
その場合は内科的治療が行われます。


猫の歯肉炎はなかなか治りにくく、場合によっては一生付き合っていく必要のある病気です。
しかし、全臼歯抜歯、全顎抜歯で良くなる例もあります。
検査などを行ったうえで、治療に関して獣医師と話し合い、猫の状態などに合わせて治療方針を決めていきましょう。

他の歯・口腔の病気一覧

一覧に戻る

※こちらに掲載している情報は、十分に検討・確認した内容となりますが、その正確性、安全性、有用性などについて何ら保証するものではありません。 コンテンツのご利用により、直接または間接であるかを問わず、万が一何らかの問題、損害・損失が発生した場合でも、弊社は一切の責任を負いかねます。コンテンツのご閲覧・ご利用等にあたっては、お客さまご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。 特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。