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子宮蓄膿症

子宮蓄膿症

猫の子宮蓄膿症とは

子宮蓄膿症とは、子宮に膿がたまる子宮の緊急疾患です。子宮蓄膿症は犬でよくみられますが、猫では犬ほどみられません。

子宮蓄膿症は性ホルモンが関わり発症しやすくなります。

猫の子宮蓄膿症の症状

子宮蓄膿症には、「開放性」という子宮内の膿が排泄されるものと、「閉鎖性」という子宮内の膿が排泄されずたまっていくものがあります。

開放性の子宮蓄膿症では外陰部から膿が出ていたり、外陰部の周りや後ろ足の毛が汚れていたりします。

閉鎖性の子宮蓄膿症では膿が出ないので症状に気づかないことがあり、さらに子宮から膿が排泄されずたまっていくので症状も開放性よりも重篤になりやすいです。


子宮蓄膿症の症状は以下のようなものがあります。


<子宮蓄膿症の症状>

・元気がない

・食欲不振

・外陰部から膿が出ている(開放性)

・後ろ足の毛が汚れている(開放性)

・外陰部をしきりに気にして舐める

など


合併症として急性腎不全や血液凝固異常、腹膜炎、DIC※1、敗血症※2など命に関わるさまざまな状況に陥る可能性があります。これらを併発すると経過も厳しいものとなることがあります。


※1:DICとは播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないしょうこうぐん)といい、全身の血管内で小さい血栓ができ、末梢の血管でつまったり、出血しやすく血が止まりにくくなったりする血液凝固異常を起こすなど末期的な状態のこと。

※2:敗血症とは、血管内で細菌が増殖し他の臓器や全身に障害を与えている状態。

猫の子宮蓄膿症の原因

猫では犬ほど子宮蓄膿症の発生はみられません。これは猫が交尾した後に排卵する動物だからではないかといわれています。

子宮蓄膿症の発症にはプロゲステロンという妊娠を維持する性ホルモンが深く関わっているといわれています。猫では排卵後にプロゲステロンが産生されるようになり、子宮蓄膿症が発症しやすい状態になります。猫は交尾して初めて排卵する動物なので、子宮蓄膿症になりやすい時期や機会が犬よりも限られます。


子宮蓄膿症の検査は以下のようなものが挙げられます。


<子宮蓄膿症の検査>

・血液検査

・X線検査

・超音波検査

・血液凝固系検査

・細菌培養・感受性検査

など

※細菌培養・感受性検査とは、増殖している細菌と有効な抗生剤を特定する検査


子宮蓄膿症はさまざまな臓器に影響を与え緊急的な状態になることも珍しくないので、しっかりと全身の検査を行います。上記以外にも必要な検査があればその都度行われます。

猫の子宮蓄膿症の予防方法

子宮蓄膿症は避妊手術を行うことで予防できます。性ホルモンの分泌や発情をしなくなるからです。

他にも避妊手術を行うことで乳腺腫瘍の発症率が下がることが分かっています。


また、開放性の子宮蓄膿症であれば、外陰部から膿が出るあるいは後ろ足が汚れているなどわかりやすい症状を見逃さずに、元気がない、食欲不振などおかしい様子がみられたら動物病院で診察を受けましょう。 

猫が子宮蓄膿症になってしまったら

子宮蓄膿症の治療の第一選択は、卵巣子宮摘出術です。


しかし、状態によっては入院して輸液療法などを行い、全身状態を安定させてから卵巣子宮摘出術を行う場合もあります。


高齢で心臓疾患があるなど全身麻酔に耐えることができないと判断された場合には、抗生剤等を用い内科的治療が行われます。内科的治療では状態の改善に至らないこともありますし、一度治まったとしても再発の可能性があります。抗生剤の効果などを確かめるためにも定期的な血液検査や超音波検査などが行われます。


子宮蓄膿症で行われる卵巣子宮摘出術は一般的に行われる避妊手術と同じ方法ですが、通常の避妊手術よりさまざまな危険性が挙げられます。

子宮蓄膿症では組織や血管がとてももろくなっており、容易に破れるような状態になっていることも少なくありません。

また、子宮に膿がたまり破裂しそうなほど表面が張っている状態のときには、穴が開いて膿が腹腔内に流れ出し腹膜炎になる危険性もかなり高くなります。

さらに、他の臓器や全身の状態に異常がある場合は、全身麻酔の時間をできる限り少なくするために迅速な処置も求められます。

状態が悪く、手術後に急性腎不全や腹膜炎などを併発し、経過が厳しい場合は手術を行っても命を落とす例もないわけではありません。

避妊手術を事前に行うことでこれらの危険性を避けることができます。


体の状態を把握するために退院後も血液検査などを行うことがあります。


治療費例のひとつは以下の通りです。

この例では手術を行う前に全身状態を整える治療をしてから手術が行われました。血液検査は複数回行われています。


治療費例

治療期間:1週間
通院回数:1回(即日入院)
合計治療費用:約15万円
手術・入院費用:約15万円(診察料、血液検査、X線検査、輸液療法、注射、麻酔、卵巣子宮全摘出術、内用薬、入院費1週間分)

※2016年1月~2017年12月末までの実際にあった請求事例になります。事例の特定を避けるため、おおまかな治療費を掲載しています。
※こちらに記載してある診療費は、あくまでも例を記載したものになります。実際の診療内容・治療費等は、症状や動物病院によって異なりますので、ご留意ください。


避妊手術を行わない場合は、子宮蓄膿症は早期発見が重要になります。いつもと違う様子がみられたら早めに動物病院を受診しましょう。

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