猫風邪にかかる治療費は?高額になりやすいケースや費用を抑える方法を解説

この記事でわかること

  • 猫風邪の治療費は軽症であれば1〜2万円程度で済むこともあるが、重症化や慢性化により高額になるケースがある
  • 子猫や高齢猫は重症化しやすく、目の合併症や長期通院・入院が必要になる場合もある
  • 治療費の負担を抑えるには、早めの受診やワクチン接種、室内環境の管理に加え、ペット保険で備えることが重要

愛猫がくしゃみや鼻水を繰り返していると「猫風邪かもしれない」と心配になる飼い主は多いでしょう。


猫風邪は比較的よく見られる病気ですが、重症化すると長期治療や入院が必要になるケースもあり、治療費が高額になることもあります。ペットには公的な健康保険制度がなく、治療費は全額自己負担となるため、ペット保険への加入や治療費の備えが大切です。


本記事では、治療費の目安や費用が高くなりやすいケース、費用を抑える方法を詳しく解説します。愛猫の治療費の負担を少しでも抑えたい方は、最後までご覧ください。


猫風邪とは?

猫風邪とは、正式には「猫上部気道感染症」と呼ばれます。猫カリシウイルス(FCV)や 猫ヘルペスウイルス(FHV-1)などによって引き起こされる呼吸器系の感染症で、鼻や喉に炎症を起こします。


感染経路は、感染猫の鼻水や涙、唾液などの分泌物との直接接触のほか、くしゃみによる飛沫や食器、寝具などを介した間接的な接触でも広がります。特に多頭飼いの環境では、感染が一気に広がりやすいため注意が必要です。


猫ヘルペスウイルスに感染した場合、ウイルスは体内の神経細胞に潜伏し続け、ストレスや免疫力の低下をきっかけに症状が再燃することがあります。なお、原因ウイルスはいずれも猫特有のウイルスであるため、飼い主にうつる心配はありません。

猫風邪の治療法

猫風邪の治療法は、原因ウイルスや症状の重症度によって異なり、主に以下のような方法が取られます。


治療法 内容
抗ウイルス薬・抗生剤 ヘルペスウイルスに有効なファムシクロビル等の抗ウイルス薬や、細菌の二次感染を防ぐ抗生剤が処方される
インターフェロン療法 ウイルスの増殖を抑え免疫機能を高める目的で、点鼻または注射で投与される
ネブライザー療法 薬剤を霧状にして鼻や気管~肺に直接届ける吸入治療で、鼻づまりや呼吸困難の緩和を目的として行われる
支持療法 食欲増進剤の投与や強制給餌、脱水が見られる場合の輸液など、全身状態を維持するための処置が行われる

症状が軽度であれば、内服薬の投与、点眼薬や点鼻薬の処方のみで治療可能な場合もあります。


しかし、重症化すると入院が必要となるケースもあるため、気になる症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。

猫風邪の治療費の目安

猫風邪の治療費は、症状によって異なります。


前述したとおり、猫風邪の多くは「猫カリシウイルス」と「猫ヘルペスウイルス」などが原因です。それぞれの治療費の目安は以下のとおりです※1※2。


項目 猫カリシウイルス 猫ヘルペスウイルス
治療期間 1週間 2週間
通院回数 2回 2回
合計治療費用 16,696円 18,114円
一通院当たりの治療費例 1,000~16,000円 6,500~12,000円

※1出典:FPCペット保険「猫カリシウイルス感染症」

※2出典:FPCペット保険「猫ヘルペスウイルス感染症」


上記の治療期間や費用は、軽症例を中心とした一般的な目安です。症状の進行度や個体差、受診する動物病院によって実際にかかる期間や治療費は大きく変わるため、詳しくは受診先の獣医師に確認しましょう。

猫風邪にかかる治療費が高額になりやすいケース

猫風邪は軽症であれば1〜2万円程度の治療費で済む場合もありますが、重症化して長期治療や入院が必要になると、治療費が高額になることがあります。


以下では、治療費が高額になりやすいケースについて解説します。


子猫・高齢猫は重症化しやすい

生後半年以内の子猫は免疫機能が十分に発達していないため、猫風邪に感染すると体力が急激に低下したり、肺炎に進行したりするなど、重症化しやすい点が特徴です。


高齢猫は慢性的な鼻炎や結膜炎が続きやすく、歯周病や鼻腔内腫瘍など別の病気が隠れていることもあるため、精密検査が必要になる場合もあります。


子猫や高齢猫、持病を持つ猫は症状が悪化しやすく、入院や集中的な治療が必要になることがあります。少しでも様子がおかしいと感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。


目に傷ができると手術が必要になる場合がある

猫風邪による結膜炎が悪化すると、炎症が角膜にまで広がり、深い傷ができることがあります。


角膜潰瘍を放置すると角膜に穴が開いたり、まぶたと眼球が癒着して目が開かなくなったりするリスクもあり、最悪の場合は失明につながることもあります。


また、猫ヘルペスウイルスに関連する「角膜黒色壊死症」では、壊死した角膜を外科的に取り除く手術が必要になるケースも多く、再発しやすいため、治療が長引きやすいです。


目やにが急に増えたり、目をしょぼしょぼさせたりする様子が見られたら、症状が軽いうちに受診するのが賢明です。


症状が長引くと慢性化し長期治療になりやすい

猫ヘルペスウイルスは一度感染すると体内に潜伏し続けるため、ストレスや体調不良をきっかけに症状が再び出てくることがあります。


初期に適切な治療を受けずに様子を見ていると、慢性的な鼻炎や副鼻腔炎などに移行しやすくなります。


慢性化すると、長期にわたって通院や投薬が必要になるため、治療費の総額も高額になりやすいです。

猫風邪にかかる治療費を抑える方法



猫風邪は通院が長引いたり重症化したりすると、治療費の負担が大きくなりやすいため、日頃から予防することが大切です。


以下では、猫風邪にかかる治療費を抑える方法を解説します。


室内環境を整える

猫風邪の原因となるウイルスは乾燥した環境で感染が広がりやすくなるとされています。また、寒さやストレスは猫の体調不良につながることもあるため、室内の保温・保湿を心がけることで、感染や再発のリスク軽減が期待できます。


室温は季節や猫の年齢によっても異なりますが、人間が快適に感じる温度より少し高めの20〜28℃程度、湿度は50〜60%程度を目安に保つと、猫が過ごしやすい環境を維持しやすくなります。冬場は室温を下げすぎないよう注意しながら、適度に換気を行うことも大切です。


また、野良猫や感染が疑われる猫との接触を避けることも大切です。外出後は手洗いや着替えをしてから愛猫に触れることで、ウイルスを持ち込むリスクの軽減につながります。


定期的にワクチンを接種する

猫風邪の原因となるウイルスは、3種混合ワクチンなどのコアワクチンを接種することで、感染リスクの軽減が期待できます。


ワクチン接種は感染を100%防ぐものではありませんが、発症した場合でも症状が軽く済む可能性があります。その結果、重症化による治療費の負担を抑えることにもつながります。


接種のタイミングは子猫のころからはじめるのが基本であり、初年度は複数回接種したうえで、その後も獣医師の指示に従って定期的に追加接種を行うことが大切です。


かかりつけの獣医師に接種スケジュールを相談しながら、計画的に予防に取組みましょう。


症状を感じたら早めに動物病院を受診する

猫風邪は重症化しやすく、悪化すると治療が長期化して治療費もかさみやすいため、症状に気づいた段階で早めに受診することが大切です。


軽症のうちに治療をはじめることで入院や点滴が必要な状態への進行を防ぎ、結果として治療費を抑えることにつながります。


特に、子猫やシニア猫は免疫力が低く、短期間で重症化することがあるため、少しでも異変を感じたら早めに動物病院を受診しましょう。

猫風邪など急な治療費に備えるならFPCのペット保険

猫風邪は通院が長引いたり重症化したりすると、治療費の負担が大きくなることがあります。万が一の備えとして、FPCのペット保険への加入をご検討ください。


「ペットほけんフィット」は通院・入院・手術の区分なく年間100万円まで、回数・金額の制限なく補償が受けられます※。


「ペットほけんマックス」は、通院・入院・手術それぞれ60万円、合計年間180万円まで補償が受けられ、こまめな通院から高額になりがちな手術まで幅広くカバーできます※。


いずれの保険も、補償割合は50%・70%・90%からお選びいただけます。愛猫が健康なうちに備えを検討しておくことで、万が一の治療費負担に備えやすくなります。以下より商品の詳細をご確認ください。


保険商品のご案内


※補償の対象外となる項目もあります。詳細は、ペットほけんフィット・ペットほけんマックスの重要事項説明書および普通保険約款でご確認ください。

猫風邪の治療費を正しく把握して早めに備えよう

猫風邪は軽い症状で済むこともありますが、子猫や高齢猫では重症化しやすく、目の合併症や慢性化による長期治療につながるケースもあります。その結果、治療費が高額になることもあるため注意が必要です。


日頃からワクチン接種や室内環境の管理といった予防対策を徹底しつつ、万が一の通院・入院・手術に備えてペット保険への加入も検討しておくと安心です。


愛猫が健康なうちに備えを整えておくことで、いざというときの治療の選択肢を広げることにつながります。


■監修者情報

平松 育子 (ひらまつ いくこ)


山口大学農学部獣医学科卒業。

山口県内の動物病院で代診を務めたのち、2006年ふくふく動物病院を開業、2023年同病院を譲渡し、現在はペテモ動物病院の院長としておもに犬や猫の診療を行う。ペットの記事執筆や監修を行うアイビー・ペットライティングの代表も務める。

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