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咀嚼筋炎

咀嚼筋炎

犬の咀嚼筋炎とは

犬の咀嚼筋炎(そしゃくきんえん)とは、食物を噛むときに使われ口の開け閉めにも関わる筋肉(咬筋、側頭筋、顎二腹筋)に炎症が起こることです。

咀嚼筋炎になると、口の開け閉めや食事をすることが難しくなることがあります。


発症には性差はなく、犬種や年齢差もあまり関係ないといわれていますが、レトリバー種、ジャーマン・シェパード、ドーベルマン・ピンシャーなどの大型犬に多く発症することが報告されています。

犬の咀嚼筋炎の症状

咀嚼筋は口の開け閉めや物を噛むときに関係する筋肉です。そこに炎症が起こるので、口の開け閉めが制限され数㎝しか口を開けられなくなることもあり、食物をうまく食べられなくなります。また、口を動かしたときに痛みを感じることもあります。

咀嚼筋炎には急性と慢性があります。


急性の咀嚼筋炎では咀嚼筋や顎や首のリンパ節が腫れたり、発熱したりします。口周りを触られることや食べることを嫌がり、よだれを大量に垂らすこともあります。食欲不振や元気がなくなる場合もみられます。


慢性の咀嚼筋炎では咀嚼筋のひとつである側頭筋が炎症により委縮し、眼の上から耳にかけての頭の筋肉(側頭筋)が削げ落ちたように見え、眼は落ちくぼんで見えます。

また、慢性型では口を開けにくくなり(開口障害)、食物の摂取が困難で栄養状態が悪くなることもありますが、それ以外で全身的な症状はあまりみられません。慢性では開口障害がみられない場合もあります。


<犬の咀嚼筋炎の主な症状>

・口を開けにくくなる
・食物をうまく食べられない、嫌がる
・口を動かしたときに痛がる
・口周りを触られるのを嫌がる
・体重が減る
など

犬の咀嚼筋炎の原因

咀嚼筋は、主に2M型筋線維という足の筋肉にはみられない咀嚼筋固有の筋線維でできています。咀嚼筋炎になった犬ではその筋線維に対する自己抗体(自分を攻撃する抗体)が認められています。このことから、免疫が関係した疾患と考えられています。


診察では、正常に開口できるか、咀嚼筋の萎縮や痛みがないかなどを調べます。

動物病院で行われる血液検査では、血液中の赤血球、白血球の割合や筋障害が起きたときに上昇する項目(CK:クレアチンキナーゼ)、体内の炎症の程度を測る項目などを検査することがあります。

咀嚼筋炎で行われる主な検査は以下の通りです。


<犬の咀嚼筋炎での主な検査>

・血液検査
・咀嚼筋筋炎抗体(外部機関へ依頼)
・咀嚼筋の生検、病理検査
・CT検査/ MRI検査
など


他の疾患が疑われるときはさらにそれぞれに必要な検査が行われます。

犬の咀嚼筋炎の予防方法

犬の咀嚼筋炎は免疫の関与が考えられていますが、予防法は今のところありません。

咀嚼筋炎は早期治療で良好な反応をみせるといわれています。食欲がない、口を開けにくそうにしている、体重が減ってきたなど異常が見られたら、動物病院に連れて行くようにしましょう。

犬が咀嚼筋炎になってしまったら

咀嚼筋炎は免疫を抑制できる量のステロイドを投与する治療によく反応するといわれています。これは口を正常に開けられるようになり咀嚼筋の痛みがなくなるまで最初の量のまま投与され、徐々に薬の量を減らしていきます。最低でも4~6か月は投薬の継続が必要であるといわれており、投薬中止が早すぎると再発率が高くなります。

必要であればシクロスポリンなど他の免疫抑制剤が使用されることもあります。


投薬を中止して良好な経過を保つ例もありますが、ほとんどは低用量でのステロイド等の投与を、再発に注意しながら生涯続けることになります。


<犬の咀嚼筋炎の主な治療>

・ステロイド
・他の免疫抑制剤


咀嚼筋炎は急に起こることもあれば、気付かないうちに発症し徐々に進行している場合もあります。犬におかしい様子が見られたら動物病院を受診するようにし、咀嚼筋炎と診断されたらしっかりと治療と観察を行っていきましょう。

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