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犬はぶどうを食べても大丈夫?症状と対処方法は?

犬はぶどうを食べても大丈夫?症状と対処方法は?


人間にとってぶどうはおいしいフルーツですが、犬にぶどうを食べさせてはいけないといわれています。

その理由や、もしぶどうを食べてしまった場合の対応など、注意したいこともあわせてご紹介します。

犬にぶどうをあげてはいけない?

人間にとってぶどうはおいしいフルーツのひとつですが、犬にとってぶどうはとても危険な食べ物で、食べさせてはいけないといわれています。

どういったところが危険なのかをみていきましょう。


● 犬にとってぶどうは危険?

「犬にとってぶどうは危険」ということは、アメリカの研究者らによって急性腎不全を発症した犬10例が紹介された2001年ごろから注目され、2005年の同グループによる43頭の発症犬をまとめた報告以降、世界的に認識されるようになりました。

ぶどうの農薬やカビ毒、ぶどうの成分のいずれか、そもそもの犬の体質などが原因として考えられてはいますが、ぶどう中毒の原因や発症の仕組みは未だに不明です。少なくとも、犬におけるぶどうは危険を含む食品として認識する必要があります。


● ぶどうジュースやレーズンなども注意が必要

どの種類のぶどうを食べると中毒症状を起こすかなど、種類による差は判明していません。また、犬種問わず全ての年齢で発症し、雌雄差もありません。

生だけでなく、ぶどうジュースとして摂取しても、レーズンなど乾物で摂取しても、発症する可能性があります。

更に、摂取量が少なくても発症した例もあることから、ぶどうやレーズンの給餌を避けるだけではなく、ぶどうパンなど加工品を含めて注意をする必要があります。


参考:「ぶどう中毒を発症した犬の考察」岩獣会報Vol. 44(No.2), 63-65(2018)(最終アクセス 2021年11月1日)

犬がぶどうを食べるとどうなる?

犬がぶどうを食べた場合、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。

初期症状としては、ぶどうを食べてから6時間~12時間以内に嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛などの消化器系の症状がみられます。

重度の場合はぶどうを食べてから24時間~72時間以内に急性腎不全を引き起こし、毒素や老廃物が体内に留まることで尿毒症を併発し、最悪の場合は死亡することもあります。

2010年の症例では、3歳のマルチーズが種なしぶどう70gを食べ、5時間後から嘔吐の症状が現れ、尿の排せつ量が低下し、4日後に死亡しています。


参考:「ブドウ摂取後に急性腎不全を発症して死亡した犬の1 例」日獣会誌 63,875-877(2010)(最終アクセス 2021年11月1日)

犬がぶどうを食べたときの対応方法は?

もし犬が、ぶどうやぶどうが含まれるものを食べてしまった場合、また食べたかもしれないと思った場合に飼い主はどうしたら良いのでしょうか。


● 獣医師などの専門家の指示に従う

無理に吐かせることはせず、かかりつけの動物病院へ連絡をしましょう。

休診日や深夜は救急対応している病院へ連絡をしましょう。

その際には、どのようなぶどうを、いつ、どのくらいの量を食べたかを伝える必要があります。

犬の様子についても「特に症状は出ていない」「下痢をしている」「嘔吐を5回している」「排尿がみられない」など、できるだけ詳しく伝えましょう。


動物病院で治療をする際には、吐かせる治療や吸着剤を用いた治療、胃洗浄や点滴治療など、犬の症状に応じて行います。

飼い主だけの判断で吐かせようとすることで、犬の負担になりかえって状態が悪化してしまうことがあります。

適切な処置のため、必ず動物病院の指示を仰ぎましょう。

危険な食べ物を避けるには?

犬にとって危険なものを誤って食べてしまわないためにはどうしたらよいのかをみていきましょう。

ただし、こちらでご紹介することが全てではないため、実際の飼育環境にあわせて飼い主自身で防止策をとることが大切です。


● 生活する環境を整える

犬が口に入れる可能性があるものは犬の届くところに置かないようにしましょう。

人間の薬や食品、植物など犬が中毒を起こす可能性のあるものは特に注意が必要です。丸のみしてしまう大きさのおもちゃは、飼い主が一緒にいる時以外はしまっておくようにしましょう。


● しつけを行う

留守番の際にはゲージ内で過ごすようにしつける、散歩中の拾い食いをしないようにしつける、一度口にくわえたおもちゃを放すことを遊びを通じてしつけるなど、正しいしつけをすることで万が一の誤飲を防ぐようにしましょう。


● ストレスをためこまない

引っ越しや新たな家族が増えたなど、犬にとって慣れない環境になったりすることでストレスを抱えて不安定な精神状態になることがあります。

そのような時にはペットシーツを破くなどの破壊行動をすることがあり、そこから誤飲に繋がります。


● 犬が食べたら危険な物を飼い主が定期的に見直す

最近では人間がマスクをつける機会が多くなったため、犬のマスクの誤飲が以前よりも増えています。室内で遊んでいて食べてしまった、ゴミ箱から探し出して食べてしまった、散歩中に拾い食いしたなどがよくあるケースです。

そのほかにも、チョコレートやキシリトール、ネギ、玉ねぎ、にんにくなど犬が口にすると危険なものが身の回りにはたくさんあります。


犬にとって危険なものは日々更新されています。

犬が口にしたら危ないものを飼い主が日ごろから理解し、誤飲のリスクを減らすように心がけることが何よりも大切です。

まとめ

犬にとってぶどうは、摂取量に関わらず急性腎不全を発症させ、最悪の場合は死亡に繋がる可能性もある、大変危険な食べ物です。

誤って犬が口にしてしまうことがないように、飼い主の手で予防をしましょう。

もし口にしてしまった場合には決して飼い主の判断で行動せず、適切な処置のため動物病院へ指示を仰ぎましょう。

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