犬のブドウ中毒とは
犬はブドウを食べると、急性腎不全を起こします。
これをブドウ中毒といいます。
生のブドウだけでなく、レーズン、果汁100%のジュース、ブドウの搾りかすなどでもブドウ中毒になります。
レーズンや生ブドウはケーキやパン、パイ、サラダなどに使われることも多いので、注意が必要です。
ブドウ中毒は、最悪の場合、死に至ります。
また、回復しても後遺症として慢性腎不全に移行することもあります。
ブドウやレーズンどちらも、同じ量を食べても症状が現れない犬もいれば、死亡してしまう犬もいます。
中毒が現れる量は犬によって異なり、予測できません。
犬のブドウ中毒の症状
ブドウには腎毒性があり、急性腎不全に陥ります。
急性腎不全は進行すると尿毒症になり、重度の腎障害では死亡します。
ブドウ中毒の症状は以下のようなものが挙げられます。
ブドウ中毒の症状
- 水を多く飲む
- 食欲がない
- 元気がない
- ぐったりしている
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 尿がほとんど出ない
- 口腔内の潰瘍
- けいれん
など
ブドウ中毒は急性の腎障害、低血圧性ショックなどを引き起こします。
犬のブドウ中毒の原因
ブドウが急性の腎障害を引き起こす仕組みは明らかになっていません。
腎毒性と腎臓への血流の欠乏、低血圧性ショックなどが起こることは分かっています。
ブドウ中毒の検査は以下のようなものがあります。
ブドウ中毒の検査
- 血液検査
- 尿検査
- 超音波検査
- X線検査
など
犬のブドウ中毒の予防方法
ブドウやレーズン自体だけでなく、レーズンなどブドウから作ったものが使われている食品を犬が誤って食べないようにすることが予防となります。
これらの食品は犬が食べられない、出せない場所にしっかりと保管することがとても重要です。
さらに、ブドウやレーズンはさまざまな食品に使われており、食品に含まれていることを飼い主様が気付いていない場合もあるので、注意しましょう。
誤って食べてしまった場合は、どのようなものをどのぐらい食べたのかを把握し、製品のパッケージなどあればそれも動物病院に持参します。
症状が現れていなくても、誤って食べた場合は、必ず動物病院を受診しましょう。
犬がブドウ中毒になってしまったら
ブドウ中毒により腎障害が現れた場合、基本的に急性腎不全の治療が行われます。
食べたすぐ後であれば、ブドウが体内に吸収される量を少しでも減らすことを目的に、催吐処置を行うこともあります。
急性腎不全の治療は重症度により異なりますが、血液検査などで状態を確認しながら
- 輸液療法
- 電解質補正
- 制吐剤
- 利尿剤
- リン吸着剤
- 尿道カテーテルの設置※
- 透析治療
※尿道カテーテルの設置とは、膀胱まで細い管(カテーテル)を通し、尿量を測定する
などの治療を行います。
食事が食べられるなら、療法食を与えます。
尿毒症により、けいれんが現れたら、抗けいれん薬を投与します。
腎障害が軽いまたは症状が現れない場合でも、時間が経過すると腎障害が現われたり進行したりすることがあります。
獣医師に再度診察するようにいわれた場合は、指示通り診察を受けましょう。