股関節形成不全

猫の股関節形成不全とは

股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)とは、生まれつき股関節の形に異常がある状態のことです。猫が股関節形成不全になる主な原因は遺伝といわれています。


股関節形成不全と聞くと、犬の疾患のイメージが強いと思いますが、最近では猫でも発症することがわかってきました。

特に、遺伝的に発症する可能性が高いといわれている猫種は以下の通りです。


股関節形成不全を発症しやすい描種
  • ペルシャ
  • メインクーン
  • ヒマラヤン

猫の股関節形成不全の症状

猫の股関節形成不全の症状は、股関節の発育不全の程度と股関節の脱臼の程度によってさまざまな症状を示します。

股関節の発育不全によって生まれつき寛骨臼(かんこつきゅう)が浅いと、股関節が脱臼しやすくなります。片方だけではなく、左右両方の股関節に生じることが多いのも特徴の1つです。


<股関節の模式図>

股関節形成不全

特に跳ねるような歩き方や、腰を振るように歩く(モンローウォーク)、階段の登り降りを嫌がるなどの特徴的な行動がみられたら、股関節形成不全を疑っても良いかもしれません。


股関節の脱臼が激しい場合、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)や前十字靭帯断裂(ぜんじゅうじじんたいだんれつ)などの他の関節疾患を患っていることもあるので、最近変な歩き方をしていると感じたら早めに獣医師に診てもらいましょう。


猫の股関節形成不全の主な症状は以下の通りです。


猫の股関節形成不全の主な症状
  • 足を触ると痛がる
  • 跳ねるように歩く
  • 腰を振るように歩く(モンローウォーク)
  • ジャンプなど動くことを嫌がる
  • 階段の昇り降りを嫌がる
  • 運動や遊びをしなくなる

猫の股関節形成不全の原因

猫が股関節形成不全になる主な原因は遺伝です。そのため、親猫が股関節形成不全の場合、その子猫も股関節形成不全になる可能性があります。特に、ペルシャ、メインクーン、ヒマラヤンでは遺伝的に発症する可能性が高いといわれています。

しかし、猫の股関節形成不全はまだ研究段階で、発症の原因は不明なところが多いのが現状です。

猫の股関節形成不全の予防方法

猫の股関節形成不全の原因は遺伝が第一に考えられているため、予防をすることがとても難しいです。股関節形成不全の症状が見られたら、すぐに動物病院に連れていきましょう。異常に早めに気づくことが一番の予防になります。

猫が股関節形成不全になってしまったら

痛みや歩行などの症状が軽度の場合は、特に治療は行わず、体重管理や運動制限を行うことで、症状を和らげます。痛みが伴う場合は鎮痛剤を処方することもあります。


症状が重度の場合は、外科手術を行うことがあります。手術方法としては、大腿骨頭切除術(だいたいこっとうせつじょじゅつ)が挙げられますが、猫の股関節形成不全はまだ治療方法も確立されておらず、難しい手術になる可能性が高いため、外科手術が治療方法の選択の1つになるかはまだ不明な点が多いのが現状です。

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