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特発性前庭障害

特発性前庭障害

猫の特発性前障害とは

特発性とは原因が不明なことを意味し、前庭障害とは体のバランスを保つ働きをする前庭器官に障害がある状態を表します。

特発性前庭疾患を発症すると吐き気や嘔吐、うまく歩けない、倒れるなどといった症状が突然現れます。

特発性前庭疾患は犬では老齢で起こりやすいですが、猫ではどの年齢でも発症します。

猫の特発性前障害の症状

特発性前庭障害は突然発症し、通常、症状はそれほど進みません。吐き気やむかつき、嘔吐がよくみられ、場合によっては吐き気があることでよだれを垂らしたり、口をくちゃくちゃさせたりする様子があるかもしれません。他には頭を傾ける斜頸(しゃけい)、眼球が小刻みに揺れる眼振(がんしん)、横転などが現れることもあります。

また、猫の特発性前庭障害は夏や初秋に多く起こるといわれています。


<特発性前障害の主な症状>

・吐き気
・嘔吐
・頭を傾ける(斜頸)
・意思とは関係なく眼球が揺れる(眼振)
・横転
・食欲不振
・元気消失
など

猫の特発性前障害の原因

猫の特発性前庭障害は末梢前庭の障害により起こりますが、末梢前庭に障害が起こる仕組みははっきりわかっていません。


前庭には中枢前庭と末梢前庭があり、中枢前庭は脳幹や小脳の一部などを含みます。一方、末梢前庭は内耳にある三半規管と前庭、前庭神経があります。


<末梢前庭の模式図>

末梢前庭の模式図

末梢前庭障害には、中耳炎や内耳炎が原因になる場合もありますが、特発性前庭疾患ではそれらの耳の疾患はみられないことも特徴です。


猫で特発性前庭障害が疑われるときに行う主な検査は以下の通りです。


<特発性前庭障害の主な検査>

・神経学的検査(可能であれば)
・耳鏡検査
・耳垢検査
など


改善がみられず進行したり、中耳や内耳、他の異常などを示す症状が出てきたりした場合は、さらに血液検査や尿検査、X線検査や精密な画像診断(CT検査、MRI検査など)を行い、原因となる疾患を探します。

猫の特発性前障害の予防方法

猫の特発性前庭障害の効果的な予防方法は特にありません。


症状が急に現れるので、異常がみられたら動物病院を受診し、家では横転や落下によるけがに注意することが大切です。

屋外に出るとけがをしたり狭いところにはまるなど動けなくなったりする可能性が高くなり危険なので、治療中は室内で安静に過ごすようにしましょう。

猫が特発性前障害になってしまったら

猫の特発性前庭障害は2~3日で自然に症状がゆるやかになり、2~3週間で完治することが多いといわれています。

末梢前庭障害に特有の神経症状などを示し、耳や他の脳神経の異常等がみられなければ、補助的な治療を行い回復を待ちます。


<特発性前庭障害の主な治療>

・制吐剤
・消化管運動促進剤
・点滴(飲水できない、脱水しているときなど)
・飲水や食事の介助
・安静
など


症状の進行や他の異常を示す症状が現れた場合は、さらに精密に検査をし、診断・治療を行います。


猫の特発性前庭障害であればほとんどが比較的短期間で治っていきます。しかし、脳血管障害や脳腫瘍など神経症状を示す他の疾患の区別をつけるのは難しい場合も多いです。経過や治療も大きく異なることがあるので、異常がみられたら動物病院を受診しましょう。

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