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外耳炎

外耳炎

猫の外耳炎とは

外耳炎は動物病院での診察の中でも最も多い病気のひとつです。外耳炎は猫種や年齢に関わらず発症します。特に屋外に出る猫では、耳ヒゼンダニ症により外耳炎が起こっている例もよくみられます。


猫の耳は、外耳、中耳、内耳に分けられます。

外耳は、耳介(じかい)すなわち耳と、耳介の穴から鼓膜まで続く外耳道を指します(鼓膜は外耳に含まれない)。ここで炎症が起こっている状態を外耳炎といいます。


耳介は音源の特定をする、異物から外耳道を守る、耳介を動かすことで感情などを表しコミュニケーション方法のひとつとして機能するなど重要な役割を果たしています。

耳介から続く外耳道は、耳で受け取った音波を効率的に鼓膜へと伝える働きがあります。

猫の外耳炎の症状

猫の外耳炎の症状は以下のようなものが挙げられます。


<外耳炎の症状>

・耳垢が増える

・耳の穴の中や周りが赤くなる、腫れる

・耳がくさい

・耳から膿が出る

・耳をひっきりなしにかく

・頭を振る

など

猫の外耳炎の原因

外耳炎はさまざまな要因が重なり、外耳炎になりやすかったり外耳炎が続きやすかったりする状況になります。


外耳炎になりやすい、続きやすい要因は以下の通りです。


<外耳炎になりやすい、続きやすい要因>

・外部寄生虫(耳ヒゼンダニ症など)

・異物

・腫瘍

鼻咽頭(びいんとう)ポリープ

・アレルギー

・細菌・真菌(主にマラセチアというカビの一種)の増殖

・耳の中の分泌量が多い猫

など


外耳炎での検査は以下のようなものが挙げられます。


<外耳炎の検査>

・耳鏡(じきょう)検査※1

・耳垢(じこう)検査※2

・細菌培養・感受性検査※3

・X線検査

・耳内視鏡(ビデオオトスコープ)※4

・CT検査/ MRI検査

など

※1:耳鏡検査とは、耳鏡という器具を使い外耳道や鼓膜の状態を観察する検査。

※2:耳垢検査とは、ミミヒゼンダニなどの寄生虫がいないか、細菌や真菌が増殖していないかなどを、耳垢を採取し顕微鏡で調べる検査。

※3:耳垢や外耳道の分泌物内に増殖している細菌と有効な抗生剤の特定をする検査。院内で行う場合と外部機関へ依頼する場合がある。

※4:耳の中に入れられる内視鏡を使い、外耳道の詳細な観察を行う。専用の設備が必要で、どの動物病院でも行えるわけではない。


外耳炎を引き起こす要因として腫瘍など他のさまざまな病気が隠れている場合があります。他にも必要な検査があればその都度行われます。

猫の外耳炎の予防方法

外耳炎の明確な予防方法は特にありません。

ただ、屋外に出る猫は前述した通り、ミミヒゼンダニに寄生される機会が多くなります。屋外に出る同居猫がいる猫も同様です。完全室内飼育をすることでそのような外耳炎の機会は減らすことができるかもしれません。


外耳炎は早期発見・早期治療が重要です。治療をせず放っておくと慢性化する、治りにくい状態になる、中耳や内耳に炎症が広がり中耳炎・内耳炎を引き起こす可能性や、腫瘍や異物、外傷など外耳炎に隠れた病気の発見が遅れる可能性もあります。


また、自宅で綿棒などを使って耳掃除を行うと外耳道の粘膜が傷つき、外耳炎を引き起こしたりさらに悪化させたりする可能性があります。

犬では専用の洗浄液を使った耳洗浄が外耳炎の治療のひとつとして有効ですが、猫では斜頸(しゃけい:頭を常に傾ける状態)やふらつきが出る場合があります。耳介の耳垢をふき取る程度は問題ありませんが、耳が痛いときなどに無理に行うと嫌がって耳を触らせなくなることもあるので、異常がみられたら動物病院に早めに連れて行きましょう。

猫が外耳炎になってしまったら

外耳炎の原因となっている病気があればその治療を行います。

外部寄生虫であれば駆虫薬の投与、腫瘍であれば外科的切除などを考慮し適応であれば行います。


それと並行して細菌や真菌が増殖していれば、抗生剤や抗真菌薬の点耳をします。このとき、鼓膜が破れていないことを耳鏡検査などで確認してから治療を行います。

点耳薬には、抗炎症目的のステロイド剤、抗生剤、抗真菌薬が一緒に入っているものもあり、一般的に使用されています。


腫れや膿などがひどく、痛くて触らせないまたは中が見えないという場合には内服で抗炎症剤、抗生剤、抗真菌剤を数日間使用したり、点耳薬のみで治りきらない場合も、点耳薬とこれらの内用薬を併用したりすることがあります。


猫では犬と違い、耳洗浄で斜頸やふらつき、眼振(眼球が猫自身の意思と関係なく一定のリズムで揺れる)、よだれが垂れるなどの症状が出ることがあり、動物病院で行う必要があるときでも慎重に行われます。

獣医師の指示なく猫の耳の中の洗浄、掃除を行うのは避けましょう。


外耳炎が慢性化してかなり重度になると外耳道の構造が変わっているなど外科手術が必要になることがあり、この場合には一部または全耳道の外科的切除を行います。腫瘍でも同様の手術を行う例もあります。


外耳炎は軽度であれば比較的短期間で治ることも多いですが、再発を繰り返す猫もいます。

また、治療で改善してもなかなか治りきらないという例もみられます。

その場合は検査を繰り返したり、さらなる検査に進んだりします。


外耳炎の症状がなくなったからといって獣医師の指示なく点耳薬をやめると、外耳炎が治りきっておらず再燃することがあります。治療後、再度耳垢検査をして外耳炎が治ったことを確認してから治療終了となることも多いので、獣医師の指示に従いましょう。


以下は治療費例のひとつです。この例は比較的軽度な外耳炎の例です。


治療費例

治療期間:2週間
通院回数:3回
合計治療費用:9,180円
一通院当たりの治療費例:2,000~5,000円(診察料、耳垢検査、耳洗浄、外用薬)

※2016年1月~2017年12月末までの実際にあった請求事例になります。
※こちらに記載してある診療費は、あくまでも例を記載したものになります。実際の診療内容・治療費等は、症状や動物病院によって異なりますので、ご留意ください。


外耳炎は身近な病気で、どの猫でもなることのある病気ですが、治療をせず放っておくと慢性化したり、中耳炎や内耳炎になったりすることもあります。

耳をかゆがる、耳が赤い、耳がくさいなどの症状がみられたら、早めに動物病院を受診しましょう。

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