犬の瓜実条虫症とは
瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)とは消化管に寄生する寄生虫のひとつで、ノミやハジラミが媒介し、犬や猫などに寄生します。
瓜実条虫は生殖器などがある瓜の種に似た形をしている片節(へんせつ)が多数つながって形成されています。片節には受胎片節(じゅたいへんせつ)と成熟片節があります。瓜実条虫に感染した動物の糞便上を動く米粒のようなものが受胎片節で、成熟片節は消化管内でつながり長い虫体になります。
瓜実条虫に感染して1か月ほどで受胎片節が糞便上にみられるようになります。
犬の瓜実条虫症の症状
寄生数が少ない場合、症状はほとんど現れません。
犬自体に症状はみられず、糞便上や肛門の周りに米粒のような見た目をしている動く受胎片節を発見し、動物病院を受診するケースが多いです。
また、毛をかき分けて全身をチェックするとノミが体の上を走っている、ノミの糞が毛の間に多量に見られる、あるいは犬がいた場所にノミの糞が落ちていることがあります。
ノミの糞はボールペンで点描したほどの大きさの黒い粒ですが、水で濡らしたティッシュで潰し赤くにじむとノミの糞と確認できます。
多数寄生の場合は食欲不振、下痢、元気消失がみられ、重度の場合は神経症状が現れる例もあります。
犬の瓜実条虫症の原因
瓜実条虫は、ノミの幼虫またはハジラミの成虫が瓜実条虫の虫卵を摂取し、その中で瓜実条虫が成長し、感染可能な状態となります。感染可能な状態の瓜実条虫を体内に持つノミなどを犬や猫が口にすることによって感染します。
瓜実条虫症で行われる検査は、糞便検査です。肛門周辺に米粒のような受胎片節がないか、また体の上にノミやノミの糞がないかを確認することもあります。
犬の瓜実条虫症の予防方法
体に寄生したノミを摂取することにより感染してしまうことが多いので、定期的なノミ予防を行いましょう。冬でも室内は温暖なので、ノミが室内で繁殖してしまうことがあります。ノミの寄生が見られたときは室内でのノミ駆除剤の使用やマットやベッド、タオルなどの洗浄もしっかりと行う必要があります。
よくノミに感染する犬では一年を通したノミ予防が推奨されています。
また、糞便上や肛門についた米粒のような動くものがみられたら、糞便も持参し動物病院を受診しましょう。
犬が瓜実条虫症になってしまったら
瓜実条虫に感染している場合、瓜実条虫とノミの駆虫が行われます。
投薬で瓜実条虫が駆除されたことを確認するために、再度診察で糞便検査を行うこともあります。
さらに、ノミが室内で繁殖している可能性があるので、室内飼育の場合は環境中の清掃やノミの駆除を行う必要があります。
そして治療後もノミ予防は継続しましょう。
犬は散歩をするのでノミに寄生される機会も多く、そこから瓜実条虫に感染することもあります。ノミの予防を行ったり、日頃から糞便などの排泄の状態を確認したりし、異常があれば動物病院に連れて行きましょう。