1. 猫の病気事典
  2. 肺高血圧症

肺高血圧症

肺高血圧症

猫の肺高血圧症とは

肺高血圧症とは、肺動脈圧が上昇している状態を指します。


肺動脈とは、全身から右心房に集められた血液を肺できれいにするため、右心室から肺に送る際に通る血管です。


<心臓の模式図>

心臓の模式図

犬の肺高血圧症は猫よりもみられます。


猫では単発的な報告があがっています。

猫の肺高血圧症の症状

肺高血圧症の症状は、呼吸困難がみられ、原因が心疾患の場合は、診察時に心雑音が聞こえることもあります。


他には、疲れやすさ、元気や食欲の低下、体重減少などもみられます。

猫の肺高血圧症の原因

猫の肺高血圧症の原因としては、以下のようなものが挙げられています。


<猫の肺高血圧症の原因>

・肺血栓塞栓症
動脈管開存症(先天性心疾患)
・心室中隔欠損(同上)
フィラリア症
・慢性上部気道疾患
など


肺高血圧症では、検査ではっきりとした原因がわからないこともあります。


肺高血圧症の検査は、以下のようなものが挙げられます。


<肺高血圧症の検査>

・聴診
・触診
・X線検査
・超音波検査
・CT検査
など


他にも、必要な検査があれば、その都度行われます。

猫の肺高血圧症の予防方法

猫の肺高血圧症は、フィラリア症が原因でなることもあるので、猫でも、フィラリア予防をしっかり行っておくと、避けることができるかもしれません。


また、心疾患が進んで肺高血圧症になることもあるので、健康診断、検診などでの早期発見により、肺高血圧症を遅らせられる可能性があります。


呼吸の状態や猫の様子がおかしければ、動物病院を受診しましょう。

猫が肺高血圧症になってしまったら

肺高血圧症の治療は、まず、肺高血圧症を引き起こした疾患があれば、その治療を行います。


肺高血圧症の治療としては、血管を拡張する作用のあるシルデナフィルという薬で、症状改善の報告があり、よく使われます。
ただ、シルデナフィルは一般の動物病院では入手困難な場合も多いです。


シルデナフィル以外には、同じく血管拡張作用のあるベラプロストナトリウムという薬が使われることもあります。


肺高血圧症は、心疾患など、もとにある病気がかなり進行してから現われることも多いです。


経過が厳しく余命が短いこともあり、猫との時間を大切に過ごしながら、獣医師と相談して治療を行っていきましょう。

他の循環器の病気一覧

一覧に戻る

※こちらに掲載している情報は、十分に検討・確認した内容となりますが、その正確性、安全性、有用性などについて何ら保証するものではありません。 コンテンツのご利用により、直接または間接であるかを問わず、万が一何らかの問題、損害・損失が発生した場合でも、弊社は一切の責任を負いかねます。コンテンツのご閲覧・ご利用等にあたっては、お客さまご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。 特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。