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フィラリア症

フィラリア症

猫のフィラリア症とは

フィラリアとは蚊が媒介し、感染した動物の心臓(肺動脈)に寄生する寄生虫です。

フィラリアはもともと犬に寄生するので、猫は本来の宿主ではありません。そのため、猫は犬よりフィラリアに強い抵抗力を持ちます。


犬ではフィラリアが寄生して時間が経過していくと5隻(せき)以上の多数の虫体が寄生するようになりますが、猫ではそこまで寄生しません。

フィラリアが体内に侵入しても猫側の免疫がフィラリア排除に強く働くので、成虫まで発育できない場合も多く、犬のように多数の寄生は起こらないのです。


しかし、近年になり、少数寄生や幼虫のみの感染でも生涯にわたり猫に多大な影響を与えることがあるという事実が分かってきました。さらに検査が陰性でもフィラリア寄生を否定しきれないことも重なり、猫のフィラリア予防の重要性が注目されるようになってきています。

猫のフィラリア症の症状

猫のフィラリア症では以下のような症状が現れます。


<猫のフィラリア症の症状>

・一定期間をおいて治まってはぶり返す咳
・一定期間をおいて繰り返す嘔吐(食事とは関連しない)
・しんどそうに呼吸する
・呼吸の回数が多い
・呼吸困難
など


猫にフィラリアが寄生し、呼吸器などの激しい症状がみられる状況・症状は下の2つに分けられます。


① フィラリアの成虫感染はなく、幼虫が肺血管へ行き死滅したとき

  HARD(Heartworm-Associated Respiratory Disease)と呼ばれ、成虫感染はないですが、呼吸困難など急性
  で重度の呼吸障害が起こります。呼吸器疾患である猫喘息の症状とも類似しており、区別が必要になります。


② フィラリアの成虫が死滅したとき

  成虫に対し猫の体で免疫抑制が強くかかっていたものが突然解除され急に肺血管に激しい炎症が起こったり、死んだ虫体が血管に詰まったりして、元に戻らない重大な肺の変化や激烈な症状、または突然死が起こります。これを乗り越えた猫も肺に大きなダメージを受けます。


他には、肺動脈に移行途中の幼虫が誤って脳や眼に入ってしまい、神経症状や眼の炎症を起こすこともまれにあります。

猫のフィラリア症の原因

フィラリア症は蚊が媒介する寄生虫が原因です。フィラリア感染をしている動物を蚊が吸血したときにフィラリアが蚊の体内に入ります。そこで気温が一定以上であれば蚊の体内でフィラリアが他の動物に感染可能な段階まで成長します。その蚊が他の動物を吸血するときにフィラリアが動物の体内に侵入することで感染します。


フィラリアの存在を検出するための検査は以下の通りです。


<フィラリア症の主な検査>

・抗原検査
・抗体検査(外部機関へ依頼)
  ※以上すべて血液検査
・X線検査
・超音波検査
など

猫のフィラリア症の予防方法

フィラリアの予防薬を毎月投与することが最大の予防となります。

猫のフィラリア症では、抗原検査や抗体検査で陽性が出たり、超音波検査で虫体が発見されたりしない限りは、すべての検査が陰性であってもフィラリア感染を否定はできません。


フィラリア予防薬の投与で、猫にフィラリアを感染させないことが一番の防御になります。

猫がフィラリア症になってしまったら

犬のフィラリア症では治療法のひとつとして虫体の外科的摘出や成虫駆除の薬を使用しますが、猫のフィラリアではどちらの治療法もさらに大きな命の危険を伴うといわれています。しかし、必要であれば虫体の外科的摘出は行われることがあります。


猫のフィラリア症の治療は基本的に症状の緩和を目的に行われます。ステロイドや気管支拡張剤を使用し、それと並行してフィラリア予防薬を投与します。

ステロイドは症状をみながら量を減らしていきますが、治療により症状が治まり抗原検査で陰性になっても内服を完全に止めると症状が再発することが多く、生涯の服用が必要になることが多いです。


<猫のフィラリア症の主な治療>

・ステロイド剤
・気管支拡張薬
・フィラリア予防薬
など


また、治療と並行して定期的にフィラリアの抗原検査や抗体検査を行います。


フィラリア予防薬の中にはノミやダニ予防もできる滴下タイプ(首の後ろに液剤を垂らす)のものもあるので、ノミとフィラリアの予防と合わせて行うことも可能です。


猫のフィラリア予防の必要性が言われ始めてから日が浅く、獣医師によってもその必要性に対しては意見が分かれるところではありますが、猫のフィラリア症では予防が最も大切です。気になるようでしたら一度獣医師に相談してみましょう。

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