電話 0120-56-3912(サンキューワンニャンと覚えてください。)
受付時間 平日10:00〜17:00
  1. ペット保険のFPC
  2. 犬の病気事典
  3. 皮膚血管炎

皮膚血管炎

皮膚血管炎

犬の皮膚血管炎とは

皮膚は、外側から順に、表皮、真皮、皮下組織の層で構成されています。
皮膚血管炎とは、真皮で血管炎が起こる皮膚疾患です。


何らかの原因で、異常な免疫反応が起こり、皮膚の小さな血管に炎症が起きます。


皮膚血管炎は、猫よりも犬でよく見られます。

犬の皮膚血管炎の症状

皮膚血管炎の症状は、次のようなものがあります。


<皮膚血管炎の症状>

・脱毛
・耳の縁の皮膚が小さく欠ける
・紫色の斑点(紫斑:しはん)
・赤み
・潰瘍(えぐれた傷)
・細胞の壊死(細胞が死んでいる)
など


皮膚血管炎の特徴的な症状として、耳介の縁の皮膚が落ちて、ギザギザとした状態になります。
このとき、脱毛や点状の内出血を伴うことも多いです。


耳介だけでなく、足の先、鼻、尾の先、陰嚢(いんのう)や体幹などにも皮膚症状が現れます。
後ろ足がむくんだり、体にじんましんのような発疹が出たりすることもあります。


重度の皮膚血管炎では、食欲不振や元気消失が現れることもあります。

犬の皮膚血管炎の原因

皮膚血管炎になる仕組みとして、次のような免疫反応が関わるとされています。


免疫反応のひとつに、抗原と抗体が関係するものがあります。
免疫システムが異物と認識する物質である抗原に対し、対となる抗体が作られます。
そして、抗原と抗体が結合し、異物が排除されます。


皮膚血管炎では、皮膚の小さな血管に、血中にある抗原と抗体が結合したものが沈着し、炎症が起こります。


同時に、血栓が形成され、炎症の起こっている血管につまり、血液が供給されないことにより、皮膚の脱落などが起こります。


皮膚血管炎を引き起こす具体的な原因として、ワクチン接種やアレルギー、薬剤、感染、腫瘍などが挙げられます。


しかし、皮膚血管炎の直接的な原因を特定できることはまれです。


皮膚血管炎の検査には、以下のようなものがあります。


<皮膚血管炎の検査>

・皮膚検査
・血液検査
・生検/病理組織検査
など

※皮膚の一部を切り取り、病理組織検査で組織や細胞、炎症の状態などを顕微鏡で観察する検査


症状や経過、病理組織検査の結果で、皮膚血管炎と診断されます。


皮膚血管炎の原因として、細菌などの感染がないかをみるために、血液検査などが行われることもあります。


また、特殊検査として、生検で採取した組織に免疫染色という特殊な染色を施し、抗体の有無などを顕微鏡下で確認する免疫学的検査も検査のひとつとして挙げられます。


さらに、皮膚血管炎を診断する際に、血管炎を起こす他の自己免疫疾患などを除外するため、血液検査やそれぞれに対する特殊検査が必要であれば行われます。


軽度の皮膚血管炎で、症状や経過、皮膚検査の検査結果などから皮膚血管炎の可能性が高い場合は、生検まで行わず、治療を開始することもよくあります。

犬の皮膚血管炎の予防方法

皮膚血管炎の予防方法は特にありません。


耳の縁の皮膚が落ちる、脱毛、内出血、潰瘍など、皮膚に異常がみられたら、動物病院を受診しましょう。

犬が皮膚血管炎になってしまったら

皮膚血管炎の原因となる疾患があれば、その治療が行われます。


具体的には、感染に対する治療や、原因として疑わしい薬物の投与中止などです。


皮膚血管炎は、軽度であれば、ペントキシフィリンという薬を投与します。


しかし、皮膚血管炎が重度で全身的な場合は、プレドニゾロンやシクロスポリンなどの免疫抑制剤や抗炎症剤が使用されます。


ただ、免疫抑制剤の使用の際には、感染が原因となっている可能性を除去し、全身に潰瘍など、感染を起こしやすい病変が広範囲にあるときは、注意が必要となります。


治療開始後は、定期的に診察を受け、治療の効果をみて、犬の状態にあった治療を行っていきます。


皮膚血管炎は、いったん治っても再発し、繰り返すこともあります。


日ごろから全身の状態をチェックしておき、耳や皮膚などに異常がみられたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

他の皮膚の病気一覧

一覧に戻る

※こちらに掲載している情報は、十分に検討・確認した内容となりますが、その正確性、安全性、有用性などについて何ら保証するものではありません。 コンテンツのご利用により、直接または間接であるかを問わず、万が一何らかの問題、損害・損失が発生した場合でも、弊社は一切の責任を負いかねます。コンテンツのご閲覧・ご利用等にあたっては、お客さまご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。 特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。