電話 0120-56-3912(サンキューワンニャンと覚えてください。)
受付時間 平日10:00〜17:00
  1. ペット保険のFPC
  2. 犬の病気事典
  3. 腎盂腎炎

腎盂腎炎

腎盂腎炎

犬の腎盂腎炎とは

腎盂腎炎(じんうじんえん)とは感染症により腎盂(じんう)から腎臓全体に炎症が広がった状態です。同時に腎臓が障害されます。


腎盂は腎臓で作られた尿が集められる部位で、次に尿管を通り膀胱に貯留し、その後体外に排泄されます。

そのため、膀胱で細菌が増えると細菌が尿管を通り、腎盂が感染して腎盂腎炎になってしまうことがあります。


<尿路の模式図>

尿路の模式図

犬の腎盂腎炎の症状

急性の腎盂腎炎では、元気消失や食欲不振、発熱など他の疾患でもよく見られるような症状が主に現れます。

また、腎臓に直接炎症が起こっているので、腎臓に痛みが出て背中を丸める様子が見られる例もあります。


<腎盂腎炎の症状>

・元気低下

・食欲不振

・あまり動こうとせず寝ている

・発熱

・腹痛(特に腎臓の周り)

・背中を丸めるようにしている

・水をよく飲む

など


慢性の腎盂腎炎はこれらの全身症状も現れないことが多く、さらに分かりにくいことが多いです。

犬の腎盂腎炎の原因

腎盂腎炎の原因はほとんどが細菌感染によるものです。

腎盂で細菌感染が起こる原因として最も多いのは、上述したように細菌性膀胱炎から細菌が腎盂にまで達することです。特に治療でなかなか治らない慢性の細菌性膀胱炎でよくみられます。


以下のような疾患によって免疫が低下したり正常よりも簡単に感染しやすくなったりすると、腎盂腎炎の原因となる慢性細菌性膀胱炎や、腎盂での感染が起こりやすくなります。


<慢性細菌性膀胱炎や腎盂腎炎になりやすい疾患>

・尿路結石

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

糖尿病

慢性腎不全

・免疫抑制剤やステロイドの長期服用が必要な疾患

・排尿障害(神経疾患など)

など


腎盂腎炎の検査は次のようなものがあります。


<腎盂腎炎の検査>

・触診

  ※体を触って痛みや異常がないかを調べる

・血液検査

・X線検査

・超音波検査

・尿検査

・尿の細菌培養・感受性検査(外部機関に依頼)

  ※尿中に増殖している細菌の種類とどの抗生剤が有効かを調べる検査

など

犬の腎盂腎炎の予防方法

腎盂腎炎の予防方法は膀胱炎を早期発見し、治療をしっかりと行うことです。

細菌性膀胱炎になりやすい疾患の場合には、定期的な尿検査やおかしい様子が見られたら動物病院にすぐ連れて行くなど早めの対処を心がけましょう。

犬が腎盂腎炎になってしまったら

腎盂腎炎では、尿または前立腺液の細菌培養・感受性検査により増殖している細菌とそれに有効な抗生剤を特定できたら、その抗生剤で治療を行います。複数の抗生剤を服用することもあります。

さらに、腎盂腎炎によって起こった腎機能低下の程度に合わせた治療が行われます。

急性の腎機能障害が起きた場合は急性腎不全の治療を、慢性の腎機能障害には慢性腎不全に準じた治療が行われます。


<腎盂腎炎の治療>

・抗生剤

・輸液療法

など


後遺症として、腎盂腎炎で起きた腎障害により、腎盂腎炎の回復後も慢性腎不全が残ることがあります。


以下は治療費の一例です。細菌性膀胱炎からの腎盂腎炎を治療した例で、腎障害は比較的軽度でした。


治療費例

治療期間:1か月

通院回数:3回(初回通院時は除く)

入院回数:1回(初回通院時に入院)

合計治療費用:89,827円

一通院当たりの治療費例:10,000~14,000円(診察料、血液検査、尿検査、内用薬)

一入院当たりの治療費例:約6万円(診察料、入院費2日分、静脈点滴、注射、血液検査、超音波検査、尿検査、尿の細菌培養・感受性検査、尿カテーテル設置、内用薬)

※2016年1月~2017年12月末までの実際にあった請求事例になります。

※こちらに記載してある診療費は、あくまでも例を記載したものになります。実際の診療内容・治療費等は、症状や動物病院によって異なりますので、ご留意ください。


腎盂腎炎ははっきりとした特徴的な症状はありませんが、腎臓の重い機能不全につながることがあります。おかしい様子が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。

他の泌尿器の病気一覧

一覧に戻る

※こちらに掲載している情報は、十分に検討・確認した内容となりますが、その正確性、安全性、有用性などについて何ら保証するものではありません。 コンテンツのご利用により、直接または間接であるかを問わず、万が一何らかの問題、損害・損失が発生した場合でも、弊社は一切の責任を負いかねます。コンテンツのご閲覧・ご利用等にあたっては、お客さまご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。 特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。