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肝外胆管閉塞

肝外胆管閉塞

猫の肝外胆管閉塞とは

胆管(たんかん)とは、胆汁が通る道で、肝臓の中(肝内胆管)と肝臓の外(肝外胆管)にあります。

肝外胆管とは、肝臓の外に出ている部分の胆管です。

その肝外胆管が何らかの原因で詰まってしまうことを、肝外胆管閉塞(かんがいたんかんへいそく)といいます。


猫の胆管は4 mm以下といわれ、かなり細いので、粘液のようなかなり粘り気のある物質や小さい胆石などでも詰まってしまいます。


猫の胆のう、胆管の模式図は以下のようになります。


<胆のう、胆管の模式図>

胆のう、胆管の模式図

なお、猫では犬よりも胆のう疾患は少ないといわれています。

猫の肝外胆管閉塞の症状

肝外胆管閉塞の症状は以下のようなものがあります。


<肝外胆管閉塞の症状>

・元気がない
・食欲がない
・嘔吐
・黄疸(おうだん)
・腹部を痛がる
など


胆管が詰まると、胆汁が肝臓に逆流して、肝障害も進行していきます。


さらに、肝外胆管閉塞では、胆管や胆のう嚢に穴が開いたり破裂したりすることがあり、これにより急性の胆汁性腹膜炎になります。
小さい穴で漏れたものがごく微量であれば、激しい炎症により大網と穿孔部分が癒着し、穴がふさがる例もみられます。

※大網とは、腹部にある血管や脂肪の付いた膜(腹膜の一部)


胆のうや胆管破裂で起こる胆汁性腹膜炎は症状が激しく重篤で、短期間で死に至ることがあります。

猫の肝外胆管閉塞の原因

肝外胆管閉塞は、肝外胆管の外側からの圧迫、または内側の閉塞により、肝外胆管が詰まって起こります。


猫の肝外胆管閉塞の原因は、以下のようなものが挙げられます。


<猫の肝外胆管閉塞の原因>

・濃くなり粘り気が強い胆汁
・腫瘍
 -胆管
 -膵臓
 -十二指腸
・胆石(まれ)
横隔膜ヘルニア
・外傷により胆管が狭くなる
・炎症により胆管が狭くなる
など


猫の肝外胆管閉塞で行われる検査は以下のようなものがあります。


<肝外胆管閉塞の検査>

・血液検査
・X線検査
・超音波検査
・試験開腹
・生検・病理組織検査
・細菌培養・感受性検査
・胆石の検査
など

※試験開腹とは、原因が特定できない場合に試験的に開腹手術をして、直接異常を見つけたり、検査したりすること


症状から他の病気が疑われるなど、他にも検査が必要な場合はその都度行われます。

猫の肝外胆管閉塞の予防方法

肝外胆管閉塞の予防方法はありません。


初期は分かりやすい症状があまり見られないことも多いです。
健康診断などで定期的に血液検査や超音波検査などの検診を受けると、早期発見できることもあります。

猫が肝外胆管閉塞になってしまったら

肝外胆管閉塞の治療は、外科的治療と組み合わせて行います。

状態が悪ければ、内科的治療である程度状態を安定させてから、外科的治療を行います。

輸液療法などの内科的治療で、胆管の詰まりが取れることもありますし、逆に状態が悪化していくこともあります。


内科的治療には、輸液療法、抗生剤の投与、肝保護剤の投与などが挙げられます。


外科的治療の目的は、胆汁が通らない原因を可能であれば取り除くことです。
外科的治療には、腸に開口させる手術や、胆のう摘出術などもあります。


胆のうや胆管に穴が開いたり破裂したりし、胆汁性腹膜炎が起こると、死亡率が非常に高まります。


肝外胆管閉塞は重篤な疾患で、手術を行ったとしても、死亡することもあります。


定期的な健康診断などで、肝外胆管閉塞が起こる前に異常が見つかることもありますが、おかしな様子があれば、動物病院に連れて行きましょう。

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