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膿胸

膿胸

猫の膿胸とは

膿胸(のうきょう)とは、胸腔に膿の混じった液体がたまることです。
膿胸では、菌血症や敗血症になる猫もよくみられます。
菌血症とは血液中に細菌がいる状態で、敗血症とは細菌が血液中で増殖し、ショックや多臓器不全を起こしている非常に危険な状態です。
診察時には、菌血症や敗血症になっている猫も多く、命を落とすこともある病気なので、緊急的かつ集中的な治療を必要とすることもあります。

猫の膿胸の症状

膿胸の症状は、以下のようなものが挙げられます。

<膿胸の症状>

少し動くと呼吸が荒くなる 呼吸が速い 口を開けてしんどそうに呼吸をする 呼吸困難 元気がない 食欲がない 発熱 ぐったりしている 体重減少 など

猫の膿胸の原因

猫の膿胸の原因として、けんかによるかみ傷などが多いといわれています。
ただ、原因の特定ができない膿胸もよくみられます。

まれではありますが、 重症の上部気道感染症:猫ヘルペスウイルス感染症猫カリシウイルス感染症など 重度の細菌性肺炎 肺膿瘍(はいのうよう):肺にできた膿の袋 から、膿胸になることもあると考えられています。

膿胸の検査は、以下のようなものが挙げられます。

<膿胸の検査>

聴診 X線検査 血液検査 超音波検査 胸水検査 胸水の細菌培養・感受性試験 など

状態や性格により、行える検査が限られることがあります。
呼吸困難などがある場合は、酸素吸入を行ったり状態をみたりしながら検査します。
他にも必要な検査があれば、行われます。

猫の膿胸の予防方法

膿胸の原因のひとつとして、猫同士のけんかが挙げられます。
そのため、屋内飼育をすることで、猫同士のけんかの機会を減らすことができるかもしれません。
日頃から猫の様子を見ておき、呼吸が速いなど異常があれば、動物病院に連れて行きましょう。

猫が膿胸になってしまったら

状態により、酸素吸入が必要になります。
貯留液がたまり、呼吸困難が起こっている場合は、胸水の抜去が状態の改善には必須です。

膿胸の治療は、以下のようなものがあります。

<内科的治療>

貯留液(膿)抜去 抗生剤の投与 輸液療法(全身の状態の改善) など

<外科的治療>

胸腔チューブの設置(貯留液の抜去とこまめな洗浄のため) 開胸手術での胸腔内洗浄 など

胸腔チューブの設置のみでは、開胸手術は行いません。
開胸手術で胸腔内を洗浄したら、持続的に洗浄や貯留液の抜去を行えるように、胸腔チューブも設置します。

膿胸では、外科的治療を行った方が、治癒や状態改善が早期になる場合も多いです。
膿の粘り気や固形の割合が強く、膿の抜去が難しい場合など、胸腔内を洗浄した方がいいと判断された場合に開胸手術が提案されます。
内科的治療を行い、経過をみてから開胸手術に踏み切ることもあれば、麻酔が可能な状態であれば、早期に開胸手術が必要と判断されることもあります。

抗生剤については、細菌培養・感受性試験の結果が出れば、それに沿って抗生剤が選択されます。
状態が改善しても、抗生剤の投与を自己判断で中止すると悪化することがあるので、獣医師の指示を仰ぎましょう。

治療に反応すれば、数日で膿の濃さや貯留液の量が少なくなってきます。

膿胸の治療は、猫の状態や治療への反応により、毎日の通院で済む場合もあれば、ICUでの集中的な入院治療が必要になる場合もあります。
膿胸では、状態が落ち着いてからも、治療が終了するまでは通院が必要となります。
胸腔チューブを設置している場合は、胸水の貯留と胸水の成分が正常化すれば、抜去されます。

膿胸は、重症化する前に、早期発見、早期治療を行うことが大切です。
元気がなかったり、疲れやすかったり、いつもと違う様子があれば、動物病院を受診しましょう。

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