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鼻咽頭ポリープ

鼻咽頭ポリープ

猫の鼻咽頭ポリープとは

猫の鼻咽頭(びいんとう)ポリープとは、主に若い猫に起こる炎症性疾患です。慢性的な炎症が原因で起こるとも考えられており、腫瘍ではありません。なお、猫の鼻咽頭ポリープの発症はまれです。


鼻咽頭ポリープは、中耳である鼓室胞(こしつほう)や耳管(じかん)に発生し、咽頭粘膜や外耳道に向かって拡大します。長年の慢性上部呼吸器症状や慢性外耳炎中耳炎などの原因が鼻咽頭ポリープだったという例もあります。


猫によっては複数のポリープが発生します。

鼻咽頭ポリープの形状は、細い茎のような先にポリープがつながっていることがほとんどです。

猫の鼻咽頭ポリープの症状

鼻咽頭ポリープの症状は、鼻咽頭でポリープが大きくなり呼吸や飲み込みに障害を与える場合もあれば、外耳道に伸び耳だれや耳を気にする様子が症状として現れる場合もあります。

猫によっては常に頭を傾けている斜頸(しゃけい)や、猫の意思とは関わりなく眼球が一定方向に一定リズムで揺れる眼振(がんしん)、ふらつきなどの神経症状が現れる猫もみられます。


鼻咽頭ポリープの症状は以下のようなものが挙げられます。


<鼻咽頭ポリープの症状>

・息苦しそう

・異常な呼吸音

・飲み込みにくそう

・鼻汁

・耳から茶色い耳だれが出ている

・耳から膿が出ている

・頭を振る

・斜頚

・眼振

・ふらつき

など


他には食欲不振や毛づやが悪い、なかなか体重が増えないなどの症状を示す猫もいます。

また、外耳や中耳を巻き込んだ鼻咽頭ポリープでは聴覚を失っていることもあります。

猫の鼻咽頭ポリープの原因

先天性(生まれつき)あるいは慢性的な細菌性外耳炎・中耳炎などの炎症、ウイルス性などの要因が検討されていますが、はっきりとした原因は明らかになっていません。


鼻咽頭ポリープの検査は以下のようなものがあります。


<鼻咽頭ポリープの検査>

・触診(麻酔下の場合もある)

・耳鏡(じきょう)検査※1

・耳垢検査※2

・細菌培養・感受性検査※3

・X線検査※4

・耳内視鏡(ビデオオトスコープ)※5

・CT検査/ MRI検査

・病理組織検査

など

※1:器具を使い、外耳道を鼓膜まで観察する。

※2:耳垢や外耳道の分泌物を顕微鏡で観察する。細菌や真菌の増殖などを確認する。

※3:外耳や中耳内の分泌物で増殖する細菌の種類と有効な抗生剤を特定する。簡易的には院内で検査し、精密な検査が必要なら外部機関へ依頼する。

※4:頭部を撮影し、耳や鼻咽頭の器官で腫瘤や何か異常がみられないかを検査する。

※5:耳に専用の内視鏡を入れて外耳道を詳細に観察する。麻酔下で行われる。専用の設備が必要であり、どの動物病院でも行えるわけではない。


麻酔をかけて検査を行う場合は血液検査も行います。腫瘍などの他の病気の可能性も考える必要があり、FIV/ FeLV検査など他の検査を行うこともあります。

猫の鼻咽頭ポリープの予防方法

鼻咽頭ポリープの予防方法はありません。


鼻咽頭ポリープは若い猫で発症し、持続する鼻などの上部呼吸器の症状や耳の症状が現れている猫で、その原因となっていることもあります。おかしな様子がみられたら、早めに動物病院を受診しましょう。

猫が鼻咽頭ポリープになってしまったら

鼻咽頭ポリープは外科的切除が行われます。

どのような手術方法が適応されるかは、ポリープの発生場所などにもよります。


鼻咽頭ポリープの外科的治療は、ポリープの切除(外耳道切開を伴う場合もある)、中耳の一部(鼓室胞)を切開する鼓室胞骨切り術などが行われます。

また、ドレーンといって、排液を行う管を数日残しておく場合もあります。

術後は傷を保護するためエリザベスカラーの装着をします。


鼻咽頭ポリープに伴って中耳などに細菌感染がみられるときは、細菌培養・感受性検査をもとに抗生剤が使用されます。


なお、ポリープの外科的切除を行っても、不完全な切除だと再発することもよくあります。

再発や新たな発生がなければ、外科的切除を行った鼻咽頭ポリープの猫の経過は良好です。


異常がみられたら早めに動物病院に連れて行き、治療や検査を経過とともにしっかりと行っていきましょう。

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