レプトスピラ症 - 犬の症状|犬・猫のペット保険選びならFPCのペット保険

レプトスピラ症

犬のレプトスピラ症とは

レプトスピラはレプトスピラ属菌のらせん菌で、レプトスピラ症は人を含めさまざまな哺乳類に感染する人と動物の共通感染症(ズーノシス)です。


レプトスピラにはさまざまな種類があり、その中でも7つの血清型の感染を診断した医師や獣医師は届出が義務付けられている重要な感染症です。※レプトスピラの各種類の分類方法


レプトスピラに感染後、すべての犬がレプトスピラ症を発症するわけではありません。

発症すると肝臓、腎臓などに障害を受け黄疸(おうだん)や出血、腎炎などを特徴とする症状が現れ、最悪の場合は数時間で死に至ることもあります。


レプトスピラはげっ歯類が高い確率で菌を持っており、生涯にわたり尿中に菌を排泄します。その尿により土壌や水などの環境が汚染されます。

また、レプトスピラが好む環境は池や沼地などの湿気が多い場所です。そして夏や初秋など温かく降雨や洪水が多い時期に感染が増える傾向にあります。

河川や池があるような場所、台風などの増水後、山、さまざまな犬が集まる場所などに行く犬、また多くの犬と接触する機会のある犬や感染地域に住む犬などは特に気を付ける必要があります。


犬のレプトスピラ症の症状

レプトスピラ症は体のいろいろな臓器に影響を与える感染症ですが、特に肝臓や腎臓を標的とすることが特徴です。黄疸や出血、急性の肝不全や腎炎などが起こります。


レプトスピラ症では急激な全身疾患により全身の血管内で微小な血栓が形成され、それが血管内で詰まることもあるDIC(播種性血管内凝固:はしゅせいけっかんないぎょうこ)という末期的な状態に陥ることもよくあります。

さらに近年、レプトスピラ症では肺でも炎症や血管炎、さまざまな程度の出血を引き起こすことが認識され始め、その肺への影響は病気を重篤化させ、死亡率の増加へとつながると考えられています。


また、レプトスピラ症は血清型によっても症状の激しさや進行の速さが異なります。


●甚急性(じんきゅうせい)

最も激しい経過を示す場合(甚急性)では、発熱や震え、口腔内や粘膜に出血がみられます。鼻出血やタール状の黒い便などがみられることもあります。ぐったりした状態となり、レプトスピラの特徴である肝不全や腎不全が現れる前に数時間から数日で死に至ります。

さらに、その症状に加えて黄疸が出るときもあり、この場合は重度であれば2~3日で死亡します。


●急性

甚急性よりも緩やかではありますが、突然発症し進行も早く経過も短期間であることが多い急性のレプトスピラ症では、嘔吐や脱水、ぐったりして起き上がれない、口腔内の粘膜の壊死、呼吸困難などがみられます。急性の肝不全や腎不全(腎炎)またはそのどちらもが認められ、死亡率は高いです。


●亜急性

レプトスピラ症の進行が比較的ゆるやかになった亜急性では、腎炎による急激な腎不全が特徴的です。


●慢性

症状も緩やかで長期間継続する慢性のレプトスピラ症では、多飲多尿や腹水など進行性の肝不全が一般的な症状としてみられます。


●回復後

回復後、慢性腎不全や慢性進行性肝不全が残る例もあります。

レプトスピラ症から回復した犬や感染はしたものの症状が出ない犬は、数カ月から数年は尿中にレプトスピラを排泄します。


犬のレプトスピラ症の原因

レプトスピラは細長いらせん状の細菌の一種であるレプトスピラを病原体とする感染症です。

レプトスピラには病気を引き起こすもの(病原性)とそうでないもの(非病原性)があり、病原性レプトスピラに感染するとレプトスピラ症を発症します。

さまざまな哺乳類に感染しますが、猫では感染してもほとんど症状を示しません。

しかし、症状が出なかった犬や猫でも尿からレプトスピラを排菌します。


主な感染経路は、げっ歯類など尿中にウイルス排泄をしている動物の尿やレプトスピラ菌に汚染された土壌や水、わらなどの媒介物との接触です。皮膚の小さな傷、口や眼の粘膜などから感染します。

レプトスピラに感染し、体内に入ると肝臓や腎臓で増殖します。潜伏期間は数日から数週間といわれています。


レプトスピラ症での検査は以下のようなものがあります。


<レプトスピラ症の検査>

・血液検査

・X線検査

・超音波検査

・尿検査

・血液凝固系検査

  ※血液を固める働きのある因子が正常に機能しているかを確かめる血液検査

など


レプトスピラ症では他の疾患でも現れるような症状を示すことがあり、そのような場合には疾患を絞り込むため他の検査も行われます。


また、レプトスピラ症の感染の有無を調べる特殊検査は以下のようなものがあります。


<レプトスピラ症の特殊検査>

※いずれの特殊検査も外部機関に依頼

・血液や尿からの培養

・ペア血清(感染初期と2週間後の各血清)または単一血清を用いたMAT検査

  ※顕微鏡を用いたレプトスピラに対する抗体の検出

・血液や尿のELISA検査

  ※レプトスピラに対する抗体の検出

・血液や尿のPCR検査

  ※検体中のレプトスピラの特徴的な遺伝子のかけらを検出する

・ペア血清での抗体検査(IgM、IgG)

など


レプトスピラ症の感染を確実に診断するには、血液や尿、組織からのレプトスピラ菌の培養またはペア血清(感染初期と2週間後の各血清)を用いたMAT検査が必要です。

しかし、培養は数カ月の時間がかかることがあること、またペア血清を用いたMAT検査も採血までに時間が必要であることから、臨床現場で必要とされる迅速な検査としては現実的ではない面もあります。

よって、ペア血清でなく単一血清を用いたMAT検査や血液や尿を用いたELISA検査やPCR検査が行われ、経過や他の一般的な検査所見と合わせて判断されます。


レプトスピラは感染初期に血中に現れますが、その時期は短期間で、さらに尿への排菌は不規則なので検査結果が偽陰性になることもあります。※本当は感染しているが、検査では検出されず感染陰性の検査結果が出ること


犬のレプトスピラ症の予防方法

●レプトスピラ症の予防方法

レプトスピラにはワクチンが存在します。山や水場によく行く、犬の多く集まる場所に行く、レプトスピラの常在地域に住んでおり散歩をするなど飼育環境や生活スタイルにより獣医師と相談してワクチンの接種を検討しましょう。

ワクチンにはレプトスピラの数種類の血清型に対してのもので、それ以外の血清型に関しては予防をすることはできません。

げっ歯類や感染動物の尿に汚染され可能性のある環境は洗浄・消毒を行う、そのような場所には近付かないなど注意が必要です。


●レプトスピラ症の消毒・乾燥

レプトスピラは湿っている環境では長く生存しますが、乾燥には弱いです。環境の洗浄・消毒をこまめに行い、しっかり乾燥させることが大切です。レプトスピラ菌は、50℃で10分以上の加熱、次亜塩素酸ナトリウム、ヨード製剤などで消毒ができます。


●レプトスピラ症に感染した動物の看護

犬がレプトスピラ症になった場合、尿への接触や尿に汚染された水や土壌などの環境から人へ感染することもあるので、必ず手袋を付けて感染動物と接触した着衣は着替え、消毒し、排泄物の取り扱いには気を付けてください。


レプトスピラ症は犬から人にも移る人と動物の共通感染症なので、感染動物からの人や動物への感染には十分注意しましょう。

流行地への旅行、汚染環境や感染動物との接触、山、河川、池、沼などでのレジャー、台風(特に洪水)後などはレプトスピラに感染する危険性が高まります。

おかしい様子が見られたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。


犬がレプトスピラ症になってしまったら

レプトスピラに対する治療は、下のような抗生剤を用います。

・ドキシサイクリン

・アンピシリン

・アモキシシリン

・フルオロキノロン

など


さらに、数カ月は腎臓の回復期に当たるので、腎臓に異常がないかを確認する定期検査が行われます。


腎不全や肝不全に対する治療は輸液療法が主に行われ、急性腎不全で尿がほとんどあるいは全く作られない場合は利尿剤などを使用した集中的な管理が必要です。

他のさまざまな症状に関してもそれに対応した治療が施されます。

体の末期的な状態であるDIC(播種性血管内凝固:はしゅせいけっかんないぎょうこ)では全血または血漿(けっしょう)輸血を行います。※全身の血管内で微小な血栓が形成され、それが微細な血管内で詰まる


レプトスピラに感染した犬に同居犬が居た場合、同居犬にドキシサイクリンを2週間処方することもあります。


レプトスピラ症は人や動物に共通する感染症です。おかしい様子が見られたらすぐに動物病院に連れて行き、感染していた場合は感染が広がらないように注意しましょう。


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特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。

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