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狂犬病

狂犬病

犬の狂犬病とは

狂犬病とは狂犬病ウイルスによる感染症で、発症すれば重篤な神経症状を発症し、ほぼ100%の確率で死亡する病気です。人、犬、猫、野生動物など全ての哺乳類に感染します。感染の原因は主に狂犬病の動物にかまれることです。

現在、WHO(世界保健機構、2004年)によると、世界では狂犬病により年間5万5000人以上が亡くなっているといわれています。

世界でも狂犬病の清浄国は数少なく、日本はそのうちのひとつです。

※清浄国とは、特定の伝染病が発生していないか、撲滅した国を指します。


しかし、清浄国であっても狂犬病がまた発生する危険性がないとはいえません。

近年では、50年以上狂犬病の清浄国であった台湾で、2013年にイタチアナグマ(野生動物)での狂犬病の発生が確認されています。

その後も、狂犬病に感染したイタチアナグマに飼い犬がかまれ、その犬は狂犬病を発症・死亡したことも報告されています。


日本でも以前狂犬病が広まっていた時期があり、狂犬病の清浄化を目指し、1950年に狂犬病予防法が制定されました。

それまでは犬も人も狂犬病に感染し死亡していましたが、人での狂犬病死亡例は1956年が最後で、犬での最後の発生も同年とされています。犬以外の動物での感染例は翌年1957年に発症した猫が最後となっています。

狂犬病予防法により野犬の抑留、飼い犬の登録、飼い犬への狂犬病ワクチンの接種が徹底され、制定から7年で日本は狂犬病の清浄化に成功しました。


これらのことから、飼い犬の登録や狂犬病ワクチンの接種が狂犬病の抑止に非常に重要な役割を果たしているといわれています。

犬の狂犬病の原因

狂犬病ウイルスに感染した動物は唾液中にウイルスを排出し、唾液中のウイルスが粘膜や咬傷から侵入することで感染します。

傷から入ったウイルスは神経で増えながら脳へと達し、そこで急激に増殖します。そして末梢へと広がり、唾液腺の細胞などでも増えていきます。

狂犬病は咬傷による感染が多く、感染動物に傷や粘膜を舐められることでも感染の危険性があります。

人への狂犬病の感染経路は狂犬病に感染した犬(野犬や飼い犬)にかまれたことによるものがほとんどで(特にアジア)、次にコウモリによる咬傷や野生動物による感染が挙げられます。

通常、人から人への感染はみられません。


人では、子供は犬や野生動物にかまれたときに周りに伝えないこともあるので、特に注意が必要でしょう。

犬の狂犬病の症状

潜伏期間は一般的に犬で2週間~2か月、人で1~3か月といわれていますが、1年以上の場合もあります。

犬と人での狂犬病の主な症状は以下の通りです。


<犬の狂犬病の主な症状>

・前駆期:食欲不振、暗い所へ行こうとする、下痢、嘔吐など非特異的症状
・狂躁期:見たものをかもうとする(興奮)、音や光に過敏に反応するなど
・麻痺期:全身の麻痺により動けなくなる、よだれを多量に垂らす、昏睡し呼吸障害で死亡
※狂躁期と麻痺期の判別が困難な場合もあります。


<人の狂犬病の主な症状>

・前駆期:発熱や食欲不振、悪心、嘔吐、筋肉痛など感冒様症状、咬まれた傷のかゆみなど
・急性神経症状期:運動過多、不安感、興奮、麻痺、錯乱、恐水発作などの神経症状
・昏睡期:昏睡し呼吸障害で死亡

犬の狂犬病の予防方法

狂犬病は発症すれば人でも致死率はほぼ100%ですが、狂犬病ワクチンの接種で予防できます。

日本では、犬の登録、狂犬病ワクチンの接種、鑑札・注射済み票の着用が法で義務化されており、罰則規定も設けられています。

※鑑札とは、犬の登録をしたときにその犬の一生に一回交付されるものです。

※注射済み票とは、狂犬病予防を行ったときに毎年交付されるものです。


WHOのガイドラインでは、狂犬病ワクチン接種により社会の犬の70%以上で狂犬病ウイルスに対して免疫が確立されていれば、万が一ウイルスが侵入しても爆発的な流行は防ぐことができるとされています。


現在、日本は狂犬病清浄国ですが、この先も外部から狂犬病ウイルスの侵入がないという保証はありません。

日本でも過去には犬が狂犬病の蔓延に大きく関わっていたことからも、犬の狂犬病ワクチン接種は現在でも社会の中で非常に重要な役割を持ちます。

飼い犬は人の社会の中で共生していきます。狂犬病予防は、犬と人間の安心した健やかな生活を守るものとなります。


ただ、犬が大きな病気を持っている、また高齢で衰弱している場合などは、獣医師が診察後、狂犬病ワクチンを接種しない方がよいと判断することがあります。


そのときには獣医師から猶予届(ゆうよとどけ)が発行され、その年度は狂犬病の予防が免除されます。自治体によっては飼い主様の届け出が必要になるので、その場合は各自治体に問い合わせてみましょう。


高齢犬や大きな持病がある場合は、かかりつけの動物病院で接種を受けると、これまでの病歴の把握や必要な検査なども行うことができます。

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