犬のマカダミアナッツ中毒とは
ナッツ類は脂肪分も多く、消化されにくい食べ物です。
犬もナッツ類を食べると、消化器症状を現したりします。
その中でも、マカダミアナッツは中毒を引き起こします。
マカダミアナッツは、他のナッツ類と一緒にそのままの形で売られている製品やチョコレート製品、クッキー、ケーキなどさまざまな食品に使われています。
(※犬ではチョコレートも、チョコレート中毒を引き起こします)
また、中毒以外にも、マカダミアナッツを一粒まるごと食べることで、消化管内異物となり、最悪の場合、腸閉塞を引き起こす恐れもあります。
犬のマカダミアナッツ中毒の症状
マカダミアナッツ中毒に陥ると、ほとんどの犬で、マカダミアナッツを食べてから12時間以内に症状が現れます。
マカダミアナッツ中毒の症状は、以下のようなものがよくみられます。
マカダミアナッツ中毒の症状
- 筋肉に力が入らない様子がみられる
- 立ち上がれない
- 歩けない
- 横になって動かない
- 元気がない
- 嘔吐
- 震え
- 高熱
など
マカダミアナッツ中毒でよくみられるのは、筋肉に力が入らなくなり、立ち上がれなくなる様子です。
また、マカダミアナッツ中毒でみられる震えは、神経症状ではなく、筋肉に力が入らないことによるものといわれています。
上記以外の症状では、関節痛がみられた犬もいます。
体重1 kg当たり0.7 gのマカダミアナッツを食べて、中毒症状が出た例が報告されています。
※中ぐらいのマカダミアナッツ1粒は2.0 gほど、大粒では1粒2.3~2.5 gほど
ただ、中毒症状を引き起こす目安となる量は分かっていません。
症状が現れるまでの時間についても、個々の犬により異なります。
体重1 kg当たり同じぐらいの量を食べても、1時間ほどで全身の症状がみられることもあれば、半日経過して犬が吐いたことにより気付くケースもあります。
犬のマカダミアナッツ中毒の原因
マカダミアナッツ中毒の原因は、明らかになっていません。
マカダミアナッツ中毒の検査は以下のようなものが行われます。
マカダミアナッツ中毒の検査
- 血液検査
- 超音波検査
など
検査は症状や食べたマカダミアナッツの形状、他の異物を食べていないかなどでも異なり、必要であれば上記以外にも検査します。
犬のマカダミアナッツ中毒の予防方法
犬がマカダミアナッツ中毒にならないために、マカダミアナッツ製品があれば、しっかりと管理をすることが重要です。
ビニール袋や箱で包装されていても、ビニール袋や箱を食い破ったり、ビニール袋ごと食べてしまったりする犬もいます。
冷蔵庫やロックのかかる棚、犬が食い破れないチャックの付いた袋やカバンなどに保管するなどの工夫が必要です。
そして、マカダミアナッツを口にしてしまった、またはその疑いがある場合は、動物病院に連絡しましょう。
どのような製品をどのぐらい食べたか、または包装の残りなどを把握し、診察を受ける際は、包装や製品情報の書いてある袋や紙などあれば持参します。
犬がマカダミアナッツ中毒になってしまったら
マカダミアナッツ中毒になった場合、
- マカダミアナッツが消化・吸収される量を少しでも少なくすること
- 吸収されたマカダミアナッツの成分を早く体外に排泄すること
- 出ている症状を和らげること
などを目的とした治療を行います。
マカダミアナッツ中毒の治療
- 催吐処置
- 輸液療法
- 活性炭の投与
など
他には痛みがあれば鎮痛剤、高熱であれば解熱剤などが使用されます。
症状が出てから12~48時間以内には、状態が改善していくことが報告されています。
食品を犬が誤食しないようにしっかりと管理し、食べてしまった場合はすぐに動物病院に連絡し、診察を受けましょう。