基底細胞腫

猫の基底細胞腫とは

基底細胞(きていさいぼう)とは上皮細胞の一種で、基底細胞腫とは基底細胞が腫瘍化した皮膚の良性腫瘍です。

猫の基底細胞腫は、猫の皮膚の腫瘍で最も多くを占めます。

また、基底細胞腫ができる猫の平均年齢は10~11歳で、高齢の猫でみられます。

猫の基底細胞腫の症状

基底細胞腫は、ドーム状に膨らんだ腫瘤や真ん中がくぼんだクレーター状の腫瘤ができます。大きさは1cm前後のものが多いですが、5cmを超えて大きくなる例もみられます。

基底細胞腫は硬く中身が詰まったものもあれば、腫瘍の中に嚢胞(のうほう)という、液体に満たされた袋があるものもあります。一部の基底細胞腫では黒く色素沈着していたり、腫瘍の表面がえぐれて潰瘍(かいよう)になっていたりします。

黒く沈着しているドーム状の腫瘍に黒色腫(メラノーマ)が挙げられますが、猫では黒色腫(メラノーマ)の発生はまれなので、基底細胞腫の可能性も疑います。


また、基底細胞腫は、頭、首、肩によく発生します。

皮膚を動かすと皮膚と一緒に動くことがほとんどです。

猫の基底細胞腫の原因

猫の基底細胞腫の原因は分かっていません。


基底細胞腫の検査は以下の通りです。


基底細胞腫の検査
  • 触診
  • 細胞診
  • ※腫瘍に針を刺し、採取されたものを顕微鏡で観察する


  • 病理組織検査
  • ※手術で切除後に腫瘍の組織から標本を作り、どのような腫瘍かなど顕微鏡で観察する

など


腫瘍を針で刺して採取した物を顕微鏡でみる細胞診は、採れた細胞を観察することで次の検査などある程度の方向性を決めるために行います。

ただし、基底細胞腫では腫瘍の種類を確定診断できるわけではありません。

また、場合によっては腫瘍の細胞が採取できないこともあります。

猫の基底細胞腫の予防方法

基底細胞腫の予防方法はありません。


定期的に猫の体を丁寧に触ったり、毛をかき分けてチェックしたりして、早期発見を心がけましょう。

猫が基底細胞腫になってしまったら

基底細胞腫の治療は外科的切除を行います。


基底細胞腫は良性腫瘍で、十分な範囲で外科的切除を行えば、再発などもほとんどなく経過は良好です。


定期的に体を触ってチェックし、しこりや出血したりえぐれたようなできものがあったりするときは、早めに動物病院に連れて行き、診察を受けましょう。

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