肺高血圧症

犬の肺高血圧症とは

肺動脈とは血液を右心室から肺へ送る大きな血管で、肺高血圧症とはさまざまな原因で肺動脈内圧が一定値を超えて高くなっている状態のことです。


<心臓の模式図>

心臓の模式図

心臓や肺、その他の病気が原因となり、肺高血圧症になります。


肺高血圧症は末期的な状態で、経過は思わしくなく余命は限られます。

犬の肺高血圧症の症状

肺高血圧症の症状は、以下のようなものが挙げられます。

肺高血圧症の症状
  • 疲れやすい
  • 元気がない
  • 食欲が低下する
  • 呼吸が速い
  • 呼吸困難
  • 失神

など

犬の肺高血圧症の原因

肺高血圧症には、呼吸器や心臓の疾患などさまざまな原因があります。


肺高血圧症の中でもよくみられるのは心臓の疾患が原因の肺高血圧症です。


肺高血圧症の原因は、以下のようなものが挙げられます。

肺高血圧症の原因

●心臓疾患

など


●呼吸器疾患

  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 間質性肺疾患
  • 拘束型肺疾患
  • 肺胞低換気

など


●他の疾患

など


肺高血圧症の検査は以下のようなものがあります。

肺高血圧症の検査
  • 聴診
  • 血液検査
  • フィラリア検査
  • X線検査
  • 超音波検査

など


腹水貯留が認められたら、腹水の検査など、他にも必要な検査があれば行われます。

犬の肺高血圧症の予防方法

肺高血圧症の明確な予防方法はありません。


ただ、肺血圧症の原因となる疾患を早期発見・早期治療すると、肺高血圧症になる時期を遅らせることができるかもしれません。


肺高血圧症の原因として、フィラリア症が含まれますが、フィラリア症は適切な時期に継続してフィラリア予防を行うことで防げます。

犬の肺高血圧症になってしまったら

肺高血圧症を引き起こす心臓疾患などの治療をまず行います。

それに追加して、肺高血圧症の状態を和らげるための投薬として、血管拡張作用のあるシルデナフィルが、効果があるといわれています。

ただ、シルデナフィルは、獣医療では手に入りにくく、一般の動物病院では特に入手困難です。


他には、血管拡張剤としてベラプロストナトリウムという薬も使われることがあります。


肺高血圧症は、末期的な状態で、経過が悪いことで知られており、肺高血圧症の余命は、数日から数か月という報告もされています。


犬との時間を大切にしながら、獣医師とよく話し合って、治療を行っていきましょう。

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