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気管支狭窄(きかんしきょうさく)とは、呼吸の際の空気の通り道である気管や気管支が何らかの原因で細くなった状態です。
呼吸の仕組みを大まかに説明すると、呼吸の際に空気は口、鼻、喉咽頭(こういんとう:のどなどの部分)、気管、気管支を通り、肺胞でガス交換が行われます。
その空気の通り道の途中である気管や気管支が細くなると呼吸障害が起こります。
気管支狭窄の症状は、息をするときに音が出ることです。
さらに、気管支狭窄では、呼吸がうまくできなくなるので、呼吸困難が引き起こされます。
重度の場合は血中に酸素がほとんど供給されていない状態になり、舌や口の粘膜が青紫色になるチアノーゼと呼ばれる状態が起こることもあります。
・呼吸の際に音がする
・呼吸困難
・呼吸困難と共に、舌や口の粘膜が青紫色になる(チアノーゼ)
など
気管支狭窄では、気管支が炎症を起こすことが原因となることがあります。
他には、おもちゃや食べ物など本来気管や気管支にない異物が入り、それが気管や気管支を狭める原因になる例もみられます。
ときには、気管や気管支の中に腫瘍ができる、あるいは気管や気管支の外にできた腫瘍が気管や気管支を圧迫し気管支狭窄が起こります。
・気管支の炎症
・異物が詰まる
・腫瘍(気管、気管支内外)
など
気管支狭窄の検査は以下のようなものがあります。
・聴診
・X線検査
・血液検査
・気管支鏡(気管支の内視鏡)
・CT検査
など
異物の中にはX線検査ではっきりと分かりにくい物もあります。
気管支狭窄は異物によっても起こることがあるので、犬の周りに間違って気管に入ってしまうような大きさのおもちゃや物を置いたままにしないということが大切です。
また、老齢になって飲み込みが弱くなっている場合は、食事の様子に注意しましょう。
呼吸状態に異常がみられたら早めに動物病院に連れて行きましょう。
気管支狭窄の原因によって治療が異なることがあります。
異物の場合は、気管支鏡(気管支の内視鏡)で検査を兼ねて、可能であれば異物の除去を行うことがあります。
気管支鏡などで異物が除去できない場合は手術を行い、異物を除去します。
気管支鏡、手術ともに、行うにあたり全身麻酔が必要です。
気管や気管支の炎症では、必要であれば抗生物質や気管支拡張薬などが使われます。
気管支狭窄は、原因とその部位によっては犬にとってとても負担が大きい手術などの治療をする必要が出てくることがあります。
犬の身の回りに気管や気管支を詰まらせる原因となるおもちゃなどを置かないように、環境を整えましょう。
呼吸するときにいつもと違う様子がみられたら、すぐに動物病院で診察を受けましょう。