犬の細菌性肺炎とは
肺炎とは、何らかの原因で、肺に炎症が起こっている病気です。
細菌感染が原因で起こる肺炎を、細菌性肺炎といいます。
肺炎の原因は、細菌性、ウイルス性、真菌性(カビ)、寄生虫などが挙げられます。
ウイルス性の肺炎では、犬パラインフルエンザウイルス感染症や、犬アデノウイルス2型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)、犬ジステンパーウイルス感染症などがあります。
この中で、最も多くみられる原因が細菌性肺炎です。
犬の細菌性肺炎の症状
肺炎では、呼吸器症状と並行して、発熱や食欲不振などが認められます。
細菌性肺炎の症状
- 発熱
- 食欲不振
- 動いてもすぐに疲れる
- 息がしんどそう
- 咳
- 膿のような鼻汁
- 呼吸困難
など
犬の細菌性肺炎の原因
細菌性肺炎の原因のほとんどは、気道から肺へ細菌が入り込み、感染することです。
肺炎になりやすくなる要因として、
- 気管の異物排出能力の低下
- 犬の抵抗力の低下
- 栄養不良
- 内分泌疾患
- ストレス
- 誤って気管に飲み込む(誤嚥)
などが挙げられます。
細菌性肺炎の検査は、以下のようなものがあります。
細菌性肺炎の検査
- 聴診
- 血液検査
- X線検査
- 気管支鏡 ※1
- 細菌培養・感受性検査 ※1
など
※1:気管支鏡とは、呼吸器の内視鏡
※2:細菌培養・感受性検査とは、細菌の増殖の有無と、有効な抗生剤を特定する検査
細菌性肺炎は、全身性の大きな疾患が隠れている可能性があるので、上記の検査以外にも、超音波検査や特殊血液検査などを行います。
犬の細菌性肺炎の予防方法
細菌性肺炎のはっきりとした予防方法はありません。
息がしんどそうだったり、元気や食欲が下がったりしているときは、動物病院に連れて行きましょう。
犬が細菌性肺炎になってしまったら
細菌性肺炎は、抗生剤を使用し、肺での細菌増殖を抑制します。
他に原因となる疾患や状態があれば、その治療を並行して行います。
細菌性肺炎では、基本的に、入院して、
- 酸素吸入(ICU管理)
- 抗生剤
- 気管支拡張剤
- 輸液療法
などを行っていきます。
状態が安定し、食欲も出てきたら、退院し、抗生剤を内服します。
ただ、ぶり返す恐れもあるので、退院後に診察の指示があれば、連れて行きましょう。
もちろん、息がしんどそうな様子が悪化するなど、退院後、異常がみられたときは、動物病院の受診が必要です。
肺炎は、呼吸器の病気なので、犬が苦しい上に、命を落とすこともあります。
いつもと違うおかしい様子があれば、動物病院に連れて行き、しっかりと治療を行いましょう。