タップすると電話でお問い合わせできます
特発性肺線維症(とくはつせいはいせんいしょう)は、間質(かんしつ)性肺疾患の一種です。
肺の間質とは、空気を入れて血液中の酸素と二酸化炭素を交換する肺胞(はいほう)を支える部分などを指します。
特発性肺線維症は、検査上で特定の原因が見つからず、肺の間質が線維化し蜂の巣状に硬くなっていってしまう肺疾患です。
慢性、進行性の疾患で、元に戻らない変化をもたらします。
テリア種で多く、特にウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアでよくみられるといわれています。
高齢での発症が多いです。
特発性肺線維症の症状は、以下のようなものがあります。
呼吸が浅く、速い 咳をする 動いてもすぐ疲れる あまり動きたがらない 元気がない 食欲がない 呼吸困難 舌が青白い(チアノーゼ) など
特発性肺線維症の原因は分かっていません。
特発性肺線維症の検査は、以下のようなものがあります。
聴診 X線検査 血液検査(特殊検査を含む) 超音波検査 気管支鏡検査(気管支の内視鏡) 解像度の高いCT検査 など
検査では、心疾患や肺高血圧症が見つかることもよくあります。
気管支鏡検査やCT検査は、全身麻酔下で行います。
これらの検査は特殊な設備が必要であり、どの動物病院でも行えるわけではありません。
犬の症状、経過、複数の検査結果などから、総合的に判断されます。
特発性肺線維症の予防方法は、特にありません。
犬に異常が見られるときは、動物病院に連れて行きましょう。
特発性肺線維症の明確な治療法は確立されていません。
治療では、以下のようなものが挙げられます。
酸素療法 ステロイド剤の内服 など
特発性肺線維症の治療では、在宅での酸素療法が中心に行われます。
酸素濃縮器をレンタルし、ご家庭で使用する方法です。
どのようにどのぐらいの時間使用するかは、獣医師からの指導を聞き、実際使ってみてわからないことやうまくいかないことがあれば、動物病院に連絡し、相談しましょう。
肺高血圧症があれば、その治療(投薬)が行われることもあります。
治療の効果や状態の把握のために、定期的に診察を行うことになります。
特発性肺線維症では、長期的な経過はあまりよくありませんが、症状や呼吸の状態を少しでも和らげることを目標とし、対処していきます。
運動してもすぐ疲れる、咳が出る、呼吸がしんどそうなどの症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。