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軟口蓋過長症

軟口蓋過長症

犬の軟口蓋過長症とは

軟口蓋(なんこうがい)とは、口腔の上側の硬い天井部分(硬口蓋:こうこうがい)以降の、奥に続く柔らかい部分です。

その軟口蓋が、正常よりも長いことを、軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)といいます。


軟口蓋が長いと、空気の通り道を狭くして、呼吸に障害が出てくることがあります。


軟口蓋過長症は、特にブルドッグやパグ、フレンチブルなどの短頭種で多いです。
他にも、チワワ、大型犬ではレトリバー種などでもみられます。


高齢になってから治療を行っても、反応が悪い傾向にあるので、若齢(1~3歳ほど)のうちに治療を行うことがすすめられています。

犬の軟口蓋過長症の症状

軟口蓋過長症の症状は、以下のようなものが挙げられます。


<軟口蓋過長症の症状>

・寝ているときにいびきをかく
・呼吸時、興奮時にガーガーという音がする
・しんどそうに呼吸をする
・呼吸困難
・チアノーゼ
・失神
など

※チアノーゼとは、酸素不足により、舌が青紫色になること


短頭種では、軟口蓋過長症だけでなく、鼻の穴が狭い、気管が十分に形成されないなどといった構造異常もみられることがあります。


軟口蓋過長症では、呼吸障害が起こるので、熱中症にとてもかかりやすくなります。


熱いときの散歩は避ける、エアコンで気温の調整を早めにしっかりと行うなどの環境を整える必要があります。

犬の軟口蓋過長症の原因

軟口蓋過長症の原因は、先天的なものです。


軟口蓋過長症は、短頭種に特に多くみられます。


短頭種は、鼻を短くするように、交配で人為的に作り出されました。


それに伴い、鼻腔の面積が狭くなる、気管が十分に形成されない、軟口蓋が長く厚いなどの形態変化などが生まれやすくなりました。


これらをあわせて、短頭種気道症候群といい、軟口蓋過長症もそのひとつです。
また、気管虚脱という気管の異常が併発していることもあります。


軟口蓋過長症の診察では、飼い主様から聞く症状や経過、犬種、診察時の呼吸音や呼吸状態などを観察します。
他には、X線検査を行ったりしますが、確定診断は麻酔下での軟口蓋の観察です。


ただ、特に短頭種では、麻酔をかけることと、麻酔からの覚醒時にリスクが大きく、麻酔をかけるにはしっかりとした準備と慎重な判断が必要になります。


通常、麻酔をかけるのであれば、そのときに外科的治療も行います。

犬の軟口蓋過長症の予防方法

軟口蓋過長症の予防方法は、特にありません。


軟口蓋過長症の手術は、去勢・避妊手術を行うときに同時に行われることも多いです。


呼吸時や睡眠時に、いびきのような音がしたり、呼吸をしんどそうにしたりしている様子があれば、動物病院で早めに相談し、診察を受けましょう。

犬が軟口蓋過長症になってしまったら

軟口蓋過長症の基本的かつ根本的な治療は、軟口蓋の長い部分を外科的に切除することです。


激しい呼吸や興奮状態で、軟口蓋が炎症を起こし、腫れている場合は内科的に抗炎症剤などが処方されます。
ただ、内科的治療は一時的なものなので、平常時にも軟口蓋過長症による呼吸障害は続くことになります。


軟口蓋過長症などによる呼吸障害が続くと、軟口蓋付近のさらなる形態変化や呼吸機能の低下が引き起こされます。


年齢が上がるにつれて、麻酔へのリスクが高まり、治療への反応も悪くなるといわれています。


軟口蓋過長症は先天的な構造異常なので、避妊・去勢手術で麻酔をかけるときに行われることもあります。

また、そのときに、短頭種気道症候群のひとつとして挙げられる、鼻の穴が狭くなっている状態があれば、そちらの手術も一緒に行われることもあります。


ただ、軟口蓋の切除を行っても、数年が経過すると、再度伸びてくる場合があります。


他には、体重管理も呼吸状態の改善にとって大切です。
肥満であれば、減量を行います。


さらに、運動量の調整や早めの熱中症対策(しっかりとした温度管理)で、呼吸状態のリスクを回避したり、犬が快適に過ごしたりできます。


呼吸状態がおかしく、軟口蓋過長症が疑わしいときは、獣医師と相談して早めに治療方針を決定しましょう。
そのとき、麻酔時、麻酔覚醒時、術後のリスクもしっかり把握し、納得して決めていくことが大切です。


睡眠時のいびきやパンティングの際のガーガーという音など、異常がみられたら動物病院を受診しましょう。

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