犬の気胸とは
気胸とは胸腔内に空気が漏れ出ている状態のことです。
肺から胸腔内に漏れ出ているときと、胸壁に穴が開いて外気と胸腔が通じた状態になっているときがあります。
どちらも肺での換気が十分に行われなくなり、呼吸器症状が現れます。
犬の気胸の症状
気胸の症状は以下のようなものがあります。
気胸の症状
- 呼吸が早い
- 元気がない
- 呼吸困難
など
気胸の原因により他の症状も現れる場合もあります。
犬の気胸の原因
気胸は原因により下のように大きく3種類に分けられます。
- 外傷性気胸
- 自然気胸
- 医原性気胸
●外傷性気胸
犬の気胸では外傷性が最も多いといわれています。
外傷性気胸の主な原因は、交通事故や咬傷の貫通した傷などです。
●自然気胸
自然気胸とは肺にブレブやブラと呼ばれる空気が入った袋ができ、それが破裂することによります。
ブレブやブラができる原因として、原因不明のもの、先天性、以前の外傷、慢性気道疾患、寄生虫感染などが挙げられます。気道疾患で腫瘍や膿瘍などが崩れるまたは破裂し胸腔内に空気が入って気胸になる例がみられます。大型犬に多く見られる傾向があります。
●医原性気胸
医原性気胸は、検査や手術などで肺に穴が開くなどして引き起こされます。
犬の気胸の検査は以下の通りです。
気胸の検査
- 触診
- 聴診
- 打診
- X線検査
- 超音波検査
など
X線検査が気胸の診断においてスタンダードですが、気胸かどうか判断が難しい場合もあります。
原因により血液検査など他にも必要な検査があれば行われます。
犬の気胸の予防方法
気胸の原因として多い外傷は、交通事故や咬傷が主で、屋外での犬のコントロールが重要になります。屋外では犬の体格に合った人間がリードで犬をきちんとコントロールする(コントロールできるようにトレーニングしておく)、犬の性格などから外傷になりそうな状況を事前に避けるなどの日常の積み重ねが気胸になる可能性を下げることにつながるかもしれません。
さらに、呼吸におかしな様子があればすぐに動物病院に連れて行きましょう。
犬が気胸になってしまったら
気胸の原因となる疾患があればその治療を行います。
また、外科的治療で肺の穴が開いている場所をふさぎ、胸腔から空気を抜く必要があるときはドレーンという管を胸腔に設置したり、間隔を置いてその都度胸腔から空気を抜いたりします。
気胸は場合によっては短時間で緊急的な状態になることもあり早期の対処が重要になります。呼吸が早い、荒いなど異常な様子がみられたらすぐに動物病院に連れて行きましょう。