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喉頭麻痺

喉頭麻痺

犬の喉頭麻痺とは

喉頭(こうとう)は、気管や食道より口側に位置し、披裂軟骨(ひれつなんこつ)、喉頭蓋(こうとうがい)、声帯(声帯ヒダ)などの軟骨や筋肉を動かし、機能しています。

その動きによって、 息を吸うときに開き、空気の通り道となる 発声(声を出す) 飲み込みの際に気管に異物が入らないように蓋をする などの働きをしています。

喉頭麻痺(こうとうまひ)とは、それらの動きがうまくできなくなり、呼吸などに障害が起こる疾患です。
喉頭麻痺には先天性(生まれつき)と後天性(生まれた後の異常)があります。
後天性の喉頭麻痺のほとんどが、検査ではっきりとした原因となる異常がない特発性(とくはつせい)です。

犬の喉頭麻痺の症状

喉頭麻痺の症状は、以下のようなものが挙げられます。

<喉頭麻痺の症状>

かすれ声 興奮すると呼吸時に音がする 飲み込み時に咳をする えずく しんどそうに呼吸をする 呼吸困難 舌が青白い(チアノーゼ) など

呼吸がうまくできないことで、熱中症に陥ってしまうことも多いです。
そのため、暑くなってくる時期には激しい症状が現れることがあります。
先天性の喉頭麻痺では、うまく歩けなくなったり、巨大食道症が併発したりする例もみられます。

1歳未満で発症し、症状が進行していく疾患で、経過は厳しく、2年以内で亡くなることが多いといわれています。
後天性特発性喉頭麻痺は、中年齢から高年齢の大型犬で多くみられます。

犬の喉頭麻痺の原因

喉頭麻痺は、 先天性 後天性 に分けられ、さらに後天性には、 何らかの原因がわかるもの 検査ではっきりとした原因のないもの(特発性) に分けられます。

特発性でない後天性の喉頭麻痺では、 外傷や腫瘍(胸部などにある喉頭に関わる神経を傷つけられるなど) 甲状腺機能低下症 重症筋無力症 多発性筋炎 などが背景にある疾患として挙げられます。

後天性特発性喉頭麻痺は、ゆっくりと進行する全身性の末梢神経障害の症状のひとつと近年考えられるようになっています。

喉頭麻痺の検査は、以下のようなものがあります。

<喉頭麻痺の検査>

血液検査(特殊検査も含む) X線検査 喉頭鏡(のどの部分を内視鏡で観察する) など

喉頭麻痺の背景に甲状腺機能低下症などが疑われる場合は、ホルモン検査(血液検査)なども行われます。
喉頭鏡では、浅く麻酔をかけ、犬が自分で呼吸している状態で、喉頭の動きを観察します。
上記以外の検査も必要であれば、その都度行われます。

犬の喉頭麻痺の予防方法

喉頭麻痺の予防方法は特にありません。
犬におかしい様子が見られたら、動物病院を受診しましょう。

犬が喉頭麻痺になってしまったら

まず、呼吸が十分にできておらず、体が高温になっている場合は、体を冷やし酸素吸入します。
呼吸を落ち着かせるために、必要であれば鎮静剤(意識レベルを低下させる薬)や抗炎症剤(ステロイド剤)を投与します。
状態によっては、緊急的に気管切開を行い、気道を確保する必要があります。

誤嚥性(吸引性)肺炎や巨大食道症があれば、肺炎の治療を行います。
喉頭麻痺の背景に疾患がある場合は、その治療も同時に行われます。
犬の状態や経過、併発している疾患によっては、永久的な気管切開が選択されることもあります。

喉頭麻痺の一般的な治療では、生活の質を上げるために、片側披裂軟骨側方化術など外科手術が行われます。
手術後に誤嚥性肺炎になる危険性などはあります。
症例経験の多い病院や、専門医、または二次診療施設などに紹介されることもあります。

後天性特発性喉頭麻痺で、喉頭麻痺が進行性の神経障害の一症状である場合は、うまく歩けなくなったり、足の麻痺や神経症状が現れてきたりするといわれています。
声の変化が続いたり、呼吸の音や様子がおかしかったりするときなどは、早めに動物病院に連れて行きましょう。

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