多発性嚢胞腎 - 猫の症状|犬・猫のペット保険選びならFPCのペット保険

多発性嚢胞腎

猫の多発性嚢胞腎とは

多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)とは、猫の代表的な遺伝性疾患で、両側の腎臓に嚢胞(のうほう)という、中に液体を持つ袋状のものができていく病気です。

嚢胞の数も大きさも増えていき、最終的に腎臓はかなり大きくなります。


腎臓の正常な細胞や組織が嚢胞に置き換わるので、腎臓の機能が徐々に落ちていきます。


多発性嚢胞腎は遺伝性疾患ですが、多発性嚢胞腎が多く報告されている猫種は以下のようなものがあります。


<多発性嚢胞腎が多く報告されている猫種>

・ペルシャ

・ペルシャを交配した猫

・エキゾチック・ショートヘア

・ヒマラヤン

・ブリティッシュ・ショートヘア

など


特にペルシャは全てのペルシャの中の4割近い猫が多発性嚢胞腎であるといわれています。他には、アメリカン・ショートヘアやスコティッシュ・フォールドでもみられます。もちろん雑種で見られることもあります。


猫の多発性嚢胞腎の症状

多発性嚢胞(のうほう)腎の症状は、慢性腎不全と同じようなものです。

初期には症状がほとんど現れないので、腎臓の機能低下がある程度進行してから気づくことも多いです。

2歳から中年齢ごろに腎不全の症状が現れることが多いといわれています。


多発性嚢胞腎の症状は以下のようなものがあります。


<多発性嚢胞腎の症状>

・飲水量や尿量が増える(多飲多尿)

・食欲不振

・元気がない

・動きたがらない

・嘔吐

・脱水

など


多発性嚢胞腎は遺伝性疾患なので、いずれ腎臓に嚢胞ができます。数か月齢で腎臓に嚢胞ができる猫がほとんどですが、嚢胞ができる時期は猫によってさまざまです。


さらに、嚢胞ができた後、嚢胞の数や大きさが徐々に増大していき、正常な働きをする腎臓の領域が少なくなります。これにより、腎機能の低下も進んでいきますが、その進行の早さも猫によって異なります。


また、多発性嚢胞腎の一部の猫では肝臓や膵臓などに嚢胞ができることがあります。


猫の多発性嚢胞腎の原因

多発性嚢胞(のうほう)腎は、常染色体優性遺伝による遺伝性疾患です。染色体の一部の塩基(えんき)の変異により異常が現れ、多発性嚢胞腎を発症します。


多発性嚢胞腎の検査は以下のようなものがあります。

多発性嚢胞腎が進行すると、体の上から腎臓を触ったときに大きさや触り心地が異常になるので、触診を行います。血液検査や尿検査では腎障害の程度や他にも異常がないかなどを調べます。


<多発性嚢胞腎の検査>

・触診

  ※体の上から腎臓の形を触り異常がないかをみる

・血液検査

・X線検査

・超音波検査

・遺伝子検査(PKD1)

・尿検査

・CT検査

など


多発性嚢胞腎の検査は主に超音波検査と遺伝子検査が行われます。

超音波検査は6~10か月齢で行うと検出率が高いといわれています。しかし、それより早期に行っても嚢胞が見つかることもよくあります。反対に、超音波検査でその時点で見つかっていなくても、その後嚢胞ができる可能性も否定できません。


多発性嚢胞腎の確定診断は遺伝子検査によります。

特定の遺伝子配列を検出することで多発性嚢胞腎と確定診断することができます。この検査は、超音波検査のように、検査を行う時期に検査結果が影響されることはありません。

ただ、遺伝子検査で検出されなくても、超音波検査では多発性嚢胞腎がみられるということがあります。

これは、遺伝子検査(PKD1)で検出できる配列以外の部位で変異が起こっている可能性が考えられます。


よって、超音波検査と遺伝子検査の両方を行うことで、多発性嚢胞腎の検出率を高めることができます。

特に今後繁殖を考えている猫では、遺伝子検査まで実施し、もし猫が多発性嚢胞腎であれば、繁殖を控えることでこの病気に苦しむ猫を減らすことができます。さらに、親猫や同腹子(きょうだい猫)も検査を行い、それらの猫も同様に対処します。


猫の多発性嚢胞腎の予防方法

多発性嚢胞(のうほう)腎と診断された猫は避妊や去勢を行い、繁殖を控えることで将来多発性嚢胞腎になる猫を減らすことができます。親猫やきょうだい猫など血縁のある猫でも同様に検査を行い、この遺伝性疾患でないかを調べます。


また、多発性嚢胞腎になりやすい猫種の猫では、超音波検査や遺伝子検査を行うことで、早期発見につながります。早期発見ができると繁殖を控えたり、腎機能の低下に早めに対処したりすることができます。繁殖を考えている猫では特に有益な検査です。


多飲多尿など異常がみられたら早めに動物病院に連れて行きましょう。


猫が多発性嚢胞腎になってしまったら

多発性嚢胞(のうほう)腎が見つかったら、定期的な血液検査や尿検査、超音波検査を行い、腎機能の低下の程度などを把握し、必要であれば慢性腎不全に準じた治療を行います。


この治療は、腎臓の障害を元に戻したり良化したりする治療ではなく、腎臓に残っている正常な部分の負担を減らし、進行を遅らせる、あるいは症状を和らげ猫を楽にすることを目的としています。


以下は多発性嚢胞腎の治療ですが、慢性腎不全でも同様の治療が行われます。


<多発性嚢胞腎の治療>

・腎臓用の療法食

・輸液療法

・制吐剤

・ACE(エース)阻害薬

  ※腎臓の血管を拡張する薬

・リン吸着剤

・血圧降下剤(高血圧の場合)

など


嚢胞に細菌感染が起こると、さらに腎機能の低下が悪化し、コントロールが難しくなるので、尿などで細菌の増殖がみられれば抗生剤を使用します。


多発性嚢胞腎はいずれ発症し、病状の進行を止めることはできません。早期発見をすることで定期的な検査や治療、繁殖を控えるなど早めの対処を行うことができます。

生涯付き合う病気なので、不安なことは獣医師や動物病院のスタッフに相談しながら治療を継続したり、異常があればすぐに受診したりすることで、猫にとって快適な時間を少しでも長くする工夫をしていきましょう。


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特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。

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