尿毒症

猫の尿毒症とは

腎臓は、体の老廃物や毒となる物質を体外へ排泄します。


腎障害により腎臓がほとんど働かなくなり、血中に毒性物質が回ることで、脳や消化器など、さまざまなところに害を及ぼす状態を、尿毒症といいます。


尿毒症は、慢性腎不全でも急性腎不全でもなりえます。

猫の尿毒症の症状

尿毒症では、毒となる物質が脳に回ると、けいれんなどの神経症状をあらわし、口の中では、細胞の壊死(えし:細胞が死ぬこと)や潰瘍(かいよう)ができたり、息がアンモニアの臭いがしたりします。


尿毒症の症状
  • 口の内の壊死や潰瘍
  • 息がアンモニアくさい
  • 消化器症状
  • けいれん
  • 意識障害

など

猫の尿毒症の原因

尿毒症の原因は、腎臓のさまざまな働きがほとんど機能しなくなり、体に毒となる物質を、体外に排泄できなくなったことです。


尿毒症のときの検査は、以下のようなものがあります。


尿毒症の検査
  • 血液検査
  • 尿検査
  • X線検査
  • 超音波検査

など


必要であれば他の検査も行われます。

猫の尿毒症の予防方法

尿毒症を予防する、または尿毒症になる時期を遅らせるには、

  • 腎不全の早期発見・早期治療
  • 治療中も異変があれば、すぐに動物病院に連れて行き、十分な対処をすること

が重要になります。


急性腎不全は、

などがリスクとなることがあります。

※敗血症とは、血中で細菌が増殖し、多臓器不全が起きている状態


悪化するリスクの高い状況になることを避けること、または引き金となる疾患の早期発見と、その後の良好なコントロールなどが、急性腎不全(または慢性腎不全)、ひいては尿毒症になる可能性を下げることにつながるかもしれません。

猫が尿毒症になってしまったら

尿毒症になってしまったら、腎障害の状態に合わせての治療と、尿毒症により出ている症状に対する治療を行います。


けいれんなどの神経症状が起きている場合は、抗けいれん薬を使用します。 胃腸障害では、胃腸を保護する薬や嘔吐を抑えるために、制吐剤を投与します。 口の中の炎症による痛みを軽くする薬を口の中に滴下することもあります。


尿が作られなくなってしまった場合は、尿カテーテルを設置し、利尿剤などを使用します。


尿毒症の治療
  • 輸液療法
  • 電解質調整
  • 制吐剤
  • 胃腸保護剤
  • 口内炎、歯肉炎への鎮痛薬の滴下
  • 抗けいれん剤
  • 利尿剤(尿量が低下していれば)

など

※血中のナトリウム(Na)やカリウム(K)などの異常を整える


これら以外にも、症状や状態に合わせて猫が楽になるように、できる治療を行っていきます。


尿毒症は腎不全の中でも末期の状態です。 その原因が急性腎不全であれば、入院をして集中的な治療を行えば、命が助かったり状態が良くなったりする可能性があります。 ただし、慢性腎不全の経過から尿毒症になった場合は、回復は難しいものとなります。


尿毒症になるような機会を避けることと、その時期を遅らせることで、猫の快適な時間を増やすことができます。 異常があればすぐに動物病院を受診し、早期発見・早期治療を行いましょう。

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