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結晶尿

結晶尿

猫の結晶尿とは

結晶尿とは尿中に砂状の小さい結晶が出ている尿を指します。この結晶は通常顕微鏡でしか見られない大きさです。尿中に結晶がかなり多量に含まれていると尿中にざらざらとしたものが触れることがあります。


結晶尿は膀胱結石尿道閉塞にもつながることがあり、注意が必要です。


結晶の種類はさまざまありますが、主な結晶は

・ストルバイト結晶(リン酸アンモニウムマグネシウム)

・シュウ酸カルシウム結晶

の2種類です。


ここではこの2種類の結晶について説明します。


正常な尿のpHは7付近(中性)ですが、それぞれの結晶の特徴として、


●ストルバイト結晶(リン酸アンモニウムマグネシウム)

 -療法食により溶解する

 -尿のpHが上がると(アルカリ性に傾くと)出てきて、pHが下がると(酸性に傾くと)溶解する


●シュウ酸カルシウム結晶

 -一度結晶として出てきたものを溶解する治療方法はない

 -pHが下がり(酸性に傾く)すぎると出てくる

というものがあります。


これらの結晶が混合して尿中に出るときもあります。

猫の結晶尿の症状

結晶が尿中に出てくると膀胱炎を引き起こします。


結晶尿の症状は以下の通りです。


<結晶尿の症状>

・頻繁に排尿姿勢をとる

・尿が少量

・尿に血が混ざる

など


ただ、なかには尿に結晶が出ていても症状が出ない例もあります。

猫の結晶尿の原因

猫では少ないですが、ストルバイト結晶は、膀胱で増殖したウレアーゼ産生菌という細菌が出す物質により尿がアルカリ性に傾き、尿中に出る場合があります。

よって細菌性膀胱炎を治療し細菌がいなくなり、尿のpHが正常に戻ればストルバイト結晶もなくなることがあります。


細菌が原因でない結晶尿に関しては、はっきりとした原因は分かっていません。

おそらく、食事のバランスや血統(体質)などが結晶のできやすさに関わっているのではないかと考えられています。


結晶尿での検査は以下のようなものがあります。


<結晶尿の検査>

・尿検査

・超音波検査

など


他にも必要な検査があれば行われます。

猫の結晶尿の予防方法

猫はあまり積極的に水を飲む動物ではなく、十分な飲水をさせるには工夫が必要なことがあります。

そして、飲水が十分にできた上で自然に起こる排尿は膀胱内を洗い流す働きもします。ストレスがかかったり、トイレがきれいでなかったりするとトイレに行きたがらないことがあるので、猫が安心して排泄できる環境を整えましょう。


さらに、何より大切なのが、結晶尿の早期発見と早期治療、また治療と検査の継続です。結晶尿は膀胱結石尿道閉塞を引き起こすことがあります。一時的な細菌尿などでなく結晶が出ており、療法食が必要と判断された場合は、療法食と定期的な尿検査を継続しましょう。


以下は猫の結晶尿の予防方法です。


<結晶尿の予防方法>

・気に入った方法で飲水させる、こまめに水を変える、水飲み場を増やすなどして飲水させる工夫をする

・トイレをこまめにきれいにし、多めに用意する(理想的には頭数プラス1つ)

・マグネシウムやカルシウムなど結晶の成分になるミネラルの摂取を抑える

・早期発見・早期治療開始

・健康診断やワクチン接種時に尿検査を行う

など

猫が結晶尿になってしまったら

結晶尿の治療は、出ている結晶の種類により異なります。

ストルバイト結晶、シュウ酸カルシウム結晶のそれぞれの治療方法は以下のようなものが挙げられます。


<結晶尿の治療方法>

●ストルバイト結晶(リン酸アンモニウムマグネシウム):療法食で溶解できる結晶

・細菌尿の治療

・療法食

  -結晶の溶解

  -尿のpHを正常に近づけ、結晶ができにくくする

  -結晶の成分になるミネラルの摂取を抑える

・猫が十分水を摂取できる工夫をする

  -水飲み場の増設

  -こまめに水を変える

  -流水タイプの飲水器にする

  -ドライフードに水分を加えてふやかす

  -缶詰やパウチなどのウェットフードを利用する

など


●シュウ酸カルシウム結晶:療法食で溶解できない結晶

・猫が十分水を摂取できる工夫をする(尿量を増やして膀胱から結晶を洗い流す)

・結晶の成分になるミネラルの摂取を抑える(療法食)

など


療法食は結晶尿の程度や種類によって選択されます。療法食が十分に効果を発揮しているか、変更後に尿検査を行い確認します。


その後も定期的に尿検査を行います。


結晶尿は気付かないうちに発症していることもあるので、環境を整えた上で健康診断として定期的に尿検査を行うことで猫の健康状態を把握することができます。

また、排泄の状況をしっかり確認し、異常な様子があればすぐに動物病院を受診しましょう。

そして、継続的な治療が必要であれば、困ったときは獣医師や動物病院のスタッフに相談しながらしっかり続けていきましょう。

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