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水晶体脱臼

水晶体脱臼

猫の水晶体脱臼とは

水晶体とは、厚さを調節することでレンズのようにピントを合わせる役割をする目の構造のひとつです。


水晶体はチン小帯によって毛様体に結び付けられ、毛様体の筋肉が収縮したりゆるまったりすることで、水晶体の厚さが調節されます。


<眼球の模式図>

眼球の模式図

水晶体脱臼(すいしょうたいだっきゅう)とは、水晶体をつないでいるチン小帯が完全に切れ、水晶体が固定された位置から前方または後方に大きく外れてしまうことです。


前方に位置がずれることを前方脱臼(ぜんぽうだっきゅう)、後方に位置がずれることを後方脱臼(こうほうだっきゅう)と呼びます。


チン小帯が部分的にしか切れておらず、位置のずれが比較的少ない状態は、水晶体亜脱臼(すいしょうたいあだっきゅう)といわれます。


前方に水晶体がずれ、前眼房内に水晶体が侵入する前方脱臼は、激しい痛みを伴う眼科の緊急疾患です。

猫の水晶体脱臼の症状

前に水晶体がずれる前方脱臼の場合、非常に激しい痛みを伴います。

水晶体が角膜の内側に接していると、角膜が水分を含み白っぽくなったり膨らんだりする角膜浮腫が起こります。


一方、後ろに水晶体の位置がずれる後方脱臼の場合は、緊急疾患である前方脱臼に比べて症状は軽いです。

後方脱臼では眼内出血が見られることがあります。


水晶体脱臼の症状は以下のようなものが挙げられます。


<水晶体脱臼の症状>

・目を細める

・目をつぶり気味にしてまばたきをよくする

・目の中が赤い

など


また、水晶体脱臼に続いて緑内障になる危険性が高いです。

他にも網膜剥離ブドウ膜炎などの合併症もみられます。

猫の水晶体脱臼の原因

自然に水晶体脱臼を起こす場合と、水晶体脱臼が起こる原因となる眼科疾患がある場合があります。


●自然に水晶体脱臼が起こる場合

シャムは自然に水晶体脱臼を起こしやすいといわれています。


また、加齢により水晶体とチン小帯のつながりが弱くなり、水晶体脱臼が起こることもあります。


●水晶体脱臼の原因となる眼疾患がある場合

水晶体脱臼の原因となる眼疾患は、以下のようなものが挙げられます。


<水晶体脱臼の原因となる眼疾患>

緑内障

白内障

ブドウ膜炎

・外傷

・腫瘍

など


特に猫では、ブドウ膜炎に続いて水晶体脱臼を引き起こす傾向にあります。

緑内障では、牛眼(ぎゅうがん)といって眼球が大きくなる状態まで進んだときに発生しやすいです。

白内障では過熟(かじゅく)白内障という白内障の最終段階に進んだときに水晶体脱臼が起こることがあります。

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猫の水晶体脱臼の予防方法

猫の水晶体脱臼のはっきりとした予防方法はありません。


水晶体脱臼が起こる前に原因となる眼疾患が発症している場合も多いので、目や動物の様子に異常が見られたら、動物病院を早めに受診しましょう。

猫が水晶体脱臼になってしまったら

水晶体脱臼では、水晶体の摘出が行われます。


前方脱臼の場合は、激しい痛みがあり緊急的な水晶体の摘出が行われます。

点眼薬で瞳孔を広げて水晶体が後ろに移動すれば、手術をせず経過観察を行うことができます。


後方脱臼の場合も水晶体摘出が行われることがありますが、後方に脱臼していれば手術を行わずに経過を観察することもあります。

また、水晶体が目の奥深くにずれている場合、深すぎて摘出できないため手術を見送り、経過観察を行います。


後方脱臼では、その後水晶体が前方に脱臼する例も見られます。

目をしょぼしょぼさせるなど目を痛がる様子が出てきたら要注意です。

また、経過観察をしている水晶体脱臼や亜脱臼のある猫では激しい運動は避けるようにしましょう。


他の眼疾患がなく、自然に片目のみで水晶体脱臼が起こった場合、今後もう片方の目でも水晶体脱臼が起こる猫もいます。

反対側の目も注意して観察しておきましょう。


水晶体の摘出の際には、眼科専門医や二次診療施設などに紹介されることもあります。


水晶体の脱臼、特に前方脱臼は激しい痛みがある緊急疾患です。

日ごろから目や猫の様子をよく見て、おかしい様子が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。

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