1. 猫の病気事典
  2. 眼瞼欠損

眼瞼欠損

眼瞼欠損

猫の眼瞼欠損とは

眼瞼(がんけん)とはまぶたのことで、眼瞼欠損(がんけんけっそん)とはまぶたの一部が子猫のときからないことです。

眼瞼欠損は猫でよくみられ、一般的には両側のまぶたに起こり、上まぶたの外側で欠損していることが多いです。

猫の眼瞼欠損の症状

眼瞼欠損では、まぶたの一部分がないので、通常の猫のようにまぶたの縁がスムーズにつながっておらず、欠損部がへこんだように見えます。


眼球表面を保護するまぶたの一部がないことで、外からの刺激や乾燥から眼球表面を守れずに、色素沈着や角膜潰瘍(かいよう)、血管が角膜に伸びてくるなどの二次的な症状が現れます。

さらに、欠損部に生えている毛が角膜に触れ常に刺激となることがあり、上記の症状をひどくします。


また、眼瞼欠損がある猫では、白内障や視神経欠損などの他の目の先天的な異常を伴っていることもあります。

猫の眼瞼欠損の原因

眼瞼欠損は、受精卵から身体が作られていく過程(発生の過程)で起こった異常によるといわれています。

ただ、遺伝の可能性を考える意見もあり、眼瞼欠損のある猫では交配に慎重になる必要があります。


眼瞼欠損は猫の見た目から分かるので、眼瞼欠損により引き起こされる角膜潰瘍や角膜炎などの異常がないかを以下のような検査で調べます。


<眼瞼欠損で行われる検査>

・細隙灯検査(スリットランプ検査)

  ※細い光を目に当て、角膜や眼球の中を観察する検査

・フルオレセイン染色(角膜染色)

など


また、まぶたの縁の毛が角膜に当たり刺激の原因になっていないかなども観察されます。

猫の眼瞼欠損の予防方法

眼瞼欠損の予防方法はありません。


眼瞼欠損がある場合は、一度獣医師に診てもらい、眼瞼欠損による異常が出ていないかを確認しましょう。

その後も角膜や猫の様子に異常がみられた場合は、すぐに動物病院に連れて行くことが大切です。

猫が眼瞼欠損になってしまったら

眼瞼欠損は、眼球を保護するまぶたが一部ないことで、角膜が常に乾燥や刺激にさらされています。

内科的治療では、刺激を取り除き、乾燥から角膜を保護するために、

・刺激となる毛の除去

・角膜の保護(眼軟膏)

を行います。

角膜潰瘍があれば、そちらの治療が並行して行われます。


外科的治療(手術)では、他の部位の皮膚を欠損部に持ってくる方法でまぶたを作ります。


眼瞼欠損があっても角膜に異常がみられなければ、手術は行われないこともあります。

獣医師や猫の目の状況により判断は異なりますが、眼瞼欠損により角膜に異常がみられたり、まぶたの3分の1以上の欠損がみられたりしたときは外科的治療が行われます。


手術では下まぶたや口の周りの皮膚を欠損部に移植する方法などがあります。

広範囲の欠損では手術が難しくなるので、専門医に紹介されます。


広範囲の眼瞼欠損などでは手術を行っても、形成したまぶたの縁の毛の処理や涙の異常により、角膜保護を続ける必要が出てくる例もあります。


眼瞼欠損は目の乾燥や刺激により、角膜表面にさまざまな異常を引き起こす可能性があります。

眼瞼欠損がある場合は、一度獣医師の診察を受け、その後も目に異常があればすぐに動物病院に連れて行きましょう。

他の目の病気一覧

一覧に戻る

※こちらに掲載している情報は、十分に検討・確認した内容となりますが、その正確性、安全性、有用性などについて何ら保証するものではありません。 コンテンツのご利用により、直接または間接であるかを問わず、万が一何らかの問題、損害・損失が発生した場合でも、弊社は一切の責任を負いかねます。コンテンツのご閲覧・ご利用等にあたっては、お客さまご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。 特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。