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肺水腫とは、肺の肺胞(はいほう)※や、その他の肺を支える部分に、液体がしみだし、たまった状態です。
※肺胞とは、呼吸で肺胞内に取り込んだ空気と血液で、酸素と二酸化炭素が交換される場所
疾患などの何らかの原因の結果、肺水腫の状態になります。
肺水腫は、場合によっては、急激に悪化し、突然死の危険もある状態です。
肺水腫は、肺に液体がたまるので、呼吸困難を中心とした呼吸器症状が現れます。
肺水腫の症状は、以下のようなものがあります。
・息が速い
・肩で息をしている
・すぐ息があがる
・咳
・呼吸困難
・チアノーゼ※
など
※チアノーゼとは、血中の酸素不足により、舌が青紫色になる状態
肺水腫は重度になると、呼吸が苦しくなるので、横向きに寝た状態になれない、座った状態あるいは立った状態でないといられなくなってきます。
原因となる疾患により、それぞれ他の症状もみられます。
肺水腫は何らかの疾患などが原因となって、起こります。
肺水腫の原因は、以下のようなものが挙げられます。
・低アルブミン血症※1
-腸疾患
-腎疾患
-肝疾患
など
・心疾患
・腫瘍
・中毒
・外傷
・敗血症※2
・膵炎
・尿毒症
・短頭種気道症候群
・けいれん
など
※1:低アルブミン血症とは、たんぱく質の一種であるアルブミンの血中濃度が低下した状態
※2:敗血症とは、血中で細菌が増殖し、多臓器不全を起こしている状態
肺水腫の検査は、以下のようなものがあります。
・視診
・聴診
・血液検査
・X線検査
・超音波検査
・尿検査
など
肺水腫であるかどうかは、聴診やX線検査を中心に判断しますが、その原因となる疾患を突き止める必要があります。
肺水腫はさまざまな原因があり、全身的な検査を行うことも多いです。
ただ、肺水腫の呼吸困難の状況で、X線検査などを行うと、緊急的な状態になることがあり、十分注意して検査する必要があります。
状態によっては、酸素吸入などを行い、落ち着いたら、可能な範囲で検査を行います。
肺水腫のはっきりとした予防方法はありません。
肺水腫が軽度、あるいは初期の状態だと、症状が分かりにくいことがあります。
犬の様子に違和感があった場合は、動物病院を受診しましょう。
肺水腫の原因に合わせて治療します。
緊急的な状態であれば、緊急処置と並行して検査を行い、状態を把握した上で、治療方針を決定し、治療を行っていきます。
肺水腫は、急性で重度のものであれば、いつ突然死してもおかしくない状態です。
また、慢性的に経過していた肺水腫でも、急激に悪化することもあります。
なお、チアノーゼや呼吸困難などが起こり、明らかに緊急的な状況の場合は、可能であれば動物病院に連れて行くのと同時に、動物病院に状態などを連絡します。
そうすると、動物病院も到着までに、緊急的な処置をするための受け入れ準備をすることができます。
息を苦しそうにしていたり、犬の様子がおかしかったりする場合は、動物病院を受診しましょう。