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後頭骨形成不全症(キアリ様奇形)

後頭骨形成不全症(キアリ様奇形)

犬の後頭骨形成不全症(キアリ様奇形)とは

後頭骨形成不全症(Caudal Occipital Malformation Syndrome: COMS)は、先天的に後頭骨がうまく形成されないために起こります。


後頭骨が十分に形成されず、小脳が尾側に寄ってしまい、脊髄を満たす液体(脊髄液)の流れや小脳や脳幹(脳の一部)の圧迫などを引き起こします。


人のキアリⅠ型奇形に似た異常がみられるので、キアリ様奇形と呼ばれることもあります。


後頭骨形成不全症は、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルで最もよくみられます。
他の犬種では、小型犬でよくみられ、
・チワワ
・ポメラニアン
・ヨークシャー・テリア
・トイ・プードル
・パピヨン
などで報告されています。


後頭骨形成不全症は、脊髄空洞症水頭症を併発することも多いです。

犬の後頭骨形成不全症(キアリ様奇形)の症状

後頭骨形成不全症は、症状がほとんど現れない例もみられます。


後頭骨形成不全症の症状は、以下のようなものが挙げられます。


<後頭骨形成不全症(キアリ様奇形)の症状>

・後頭部や首を後ろ足でかく
・首を痛がる
・触るとキャンと鳴く
・立ち上がれない
・ふらつく
・うまく歩けない
・けいれん
など

犬の後頭骨形成不全症(キアリ様奇形)の原因

先天性の可能性が高いですが、今のところ後頭骨形成不全症を発症する遺伝子変異の部位は特定されておらず、詳しい原因は分かっていません。


ただ、一部のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルにおいては、常染色体劣性遺伝によるものではないかと考えられています。

※常染色体劣性遺伝とは、遺伝の様式のひとつ


後頭骨形成不全症の検査は以下のようなものが行われます。


<後頭骨形成不全症(キアリ様奇形)の検査>

・歩行検査
・触診
・神経学的検査
・血液検査
・X線検査
・CT検査/MRI検査
など


後頭骨形成不全症は、MRI検査で診断されます。


出ている症状と後頭骨形成不全は関係なく、たまたま見つかった例もあり、検査所見や症状と合わせて、総合的に判断されます。


他にも、必要な検査があれば行われます。

犬の後頭骨形成不全症(キアリ様奇形)の予防方法

後頭骨形成不全の明確な予防方法はありません。


ただ、遺伝により伝わる可能性もあるので、後頭骨形成不全症がある犬は繁殖に使用しないことが、予防につながるかもしれません。


犬におかしい様子が見られたら、動物病院を受診しましょう。

犬が後頭骨形成不全症(キアリ様奇形)になってしまったら

後頭骨形成不全症でも、無症状の場合は、治療はせず経過観察されます。


しかし、後頭骨形成不全症であることを把握しておくことで、その後状態が悪化しないか注意しておくことができます。


症状が軽度の場合は、鎮痛剤やステロイド剤などを使用します。


病状が進行する場合や、重度の場合は外科的治療(手術)を行います。


後頭骨にある穴(大後頭骨孔)を広げる手術や、脊髄液の流れをよくする手術などがあります。


難しい手術なので、経験数の多い病院や大学附属動物病院などの二次診療施設に紹介されることも多いです。


首に痛みがあったり、歩き方や犬におかしい様子などがみられたりしたら、動物病院を受診しましょう。

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