1. 犬の病気事典
  2. 三叉神経麻痺

三叉神経麻痺

三叉神経麻痺

犬の三叉神経麻痺とは

三叉神経麻痺(さんさしんけいまひ)とは、12対の脳神経のひとつであり、第Ⅴ神経にあたる三叉神経(さんさしんけい)が障害され、麻痺が起こる病気です。


三叉神経は、眼神経、上顎神経、下顎神経に3つに分かれることから、三叉神経と呼ばれます。


三叉神経麻痺のほとんどは、検査などでは原因が特定できない特発性(とくはつせい)に分類されます。


特発性三叉神経麻痺は、中年齢から高年齢の犬に多くみられます。

犬の三叉神経麻痺の症状

三叉神経麻痺の症状としては、下顎が落ちて口が閉まらない様子が突然みられます。


口が開いたままになるので、食べ物が食べられず、多量のよだれが流れ落ちます。


以下が、三叉神経麻痺でみられうる症状です。


<三叉神経麻痺の症状>

・口が閉じない(下顎が下がっている)
・よだれが多量に出る
・かむときに使う筋肉(咀嚼筋:そしゃくきん)がやせる
など


三叉神経麻痺では、顔面神経麻痺やホルネル症候群が併発することもあります。

※ホルネル症候群とは、交感神経の異常により特徴的な4つの症状が出ている状態。

犬の三叉神経麻痺の原因

三叉神経麻痺は、特発性(とくはつせい)といって、検査上原因不明であるものがほとんどです。


他には、外傷や神経の炎症、腫瘍などが挙げられます。


腫瘍や神経の炎症などでは、口を閉じられないという症状以外にも他の重い症状が現れることが多いです。


三叉神経麻痺の検査は、以下のようなものがあります。


<三叉神経麻痺の検査>

・視診
・触診
・神経学的検査
 -眼瞼(がんけん)反射
 -角膜反射
 -顔面感覚検査
 など
・血液検査
・X線検査
・CT検査/MRI検査
など


三叉神経麻痺を引き起こす可能性のある病気を調べるため、必要な検査が行われます。

犬の三叉神経麻痺の予防方法

三叉神経の予防方法は特にありません。


口をずっと閉じていないなどの様子があれば、動物病院に連れて行きましょう。

犬が三叉神経麻痺になってしまったら

腫瘍や神経の炎症などから起こっている場合は、その治療が行われます。


原因不明である特発性(とくはつせい)の場合は、麻痺は一時的なもので、特に治療を行わなくても2週間から1カ月程度で麻痺は消失する例が多いです。


麻痺がなくなるまでは、ご飯を食べられるように手で与える等の補助をするなど、介助が必要になります。


よだれが多い、口が開いたままになっているなど異常な様子が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。

他の脳・神経の病気一覧

一覧に戻る

※こちらに掲載している情報は、十分に検討・確認した内容となりますが、その正確性、安全性、有用性などについて何ら保証するものではありません。 コンテンツのご利用により、直接または間接であるかを問わず、万が一何らかの問題、損害・損失が発生した場合でも、弊社は一切の責任を負いかねます。コンテンツのご閲覧・ご利用等にあたっては、お客さまご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。 特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。