電話 0120-56-3912(サンキューワンニャンと覚えてください。)
受付時間 平日10:00〜17:00
  1. ペット保険のFPC
  2. 犬の病気事典
  3. 流涙症

流涙症

流涙症

犬の流涙症とは

流涙症は、涙の産生量と排出量のアンバランスにより、目に涙が多く溜まり、過剰な涙が目から流れ出ることで起こります。
流涙症では、目の周りが濡れたようになっていることが多いです。


涙は産生されてから眼球の表面に涙膜(るいまく)という涙の膜を形成します。
涙や涙膜は、角膜の保護や栄養の供給、殺菌作用などの働きをします。

さらに、老廃物や異物(ごみなど)が目に入ったときに、涙で洗い流すという作用もあります。

犬の流涙症の症状

流涙症の症状は以下のようなものが挙げられます。


<犬の流涙症の症状>

・目の周りが常に濡れたようになっている

・目の周りが赤茶けている(涙やけ)

・目頭から出ている赤茶けた筋がみられる

など


流涙症の原因となっている疾患などにより、流涙以外の目の症状は異なります。
目に刺激や痛みがあることで流涙症が引き起こされていれば、白目が赤い、目を閉じ気味にするなどの症状がみられます。

犬の流涙症の原因

流涙症の原因は、
・目に痛みや刺激があるなどで、涙の分泌量が多くなっているもの
・涙の排出が妨げられ、涙の排出量が下がることにより、流涙症になっているもの
があります。


涙の排出路は、目頭側の上下のまぶたの結膜にそれぞれある上下涙点(るいてん)という穴から、鼻涙管(びるいかん)という管を通り、鼻腔へと抜けていきます。

上記のように、流涙症の原因として涙の分泌量の増加もありますが、そうでなければ、涙の排出路である鼻涙管が、詰まったり狭くなったりしている例も多いです。


<流涙症の原因>

●涙の分泌量の増加

アレルギー性結膜炎

・まつ毛や異物などによる刺激

 -逆さまつ毛

 -眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

 -目や鼻周りの構造による目の刺激

・痛みによる涙量の増加

 -角膜潰瘍

 -緑内障

 -ブドウ膜炎

など

●涙の排出路の障害

・鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)

など


鼻涙管閉塞は、結膜炎や鼻の炎症が広がり、腫れや炎症の際に出てくる粘り気のある分泌物などで、鼻涙管が狭くなったり詰まったりすることもあります。
他には、
・鼻涙管の不十分な発達
・異物
・重度の外傷や炎症による瘢痕(はんこん)化
・腫瘍による圧迫
などが考えられます。

※瘢痕化とは、組織の欠損が修復されるときに線維などが置き換わること。硬くなったり、その部分の形状が変わったりすることがある。


以下は流涙症の一般的な原因である鼻涙管閉塞の際の検査です。


<鼻涙管閉塞の流涙症の検査>

・涙点や目頭まわりの構造などの視診

・フルオレセイン排出試験

・鼻涙管に管を入れて通りを調べる

・CT検査/ MRI検査

など

※フルオレセイン排出試験とは、フルオレセインという蛍光染色液で涙を染め、染められた涙が鼻へ排出されるかを調べる検査。涙が排出されると鼻涙管が通っていることが分かる。


流涙症にはさまざまな要因が考えられるので、原因を特定するために、他にも必要な検査があれば行われます。

犬の流涙症の予防方法

流涙症の明確な予防方法はありません。

ただ、逆さまつ毛が原因であれば、定期的に逆さまつ毛を抜くなどの処置を行うことで、涙目や流涙が改善されます。


気になる症状があれば受診することで、原因が分かり対処できるかもしれません。
早めに動物病院に連れて行きましょう。

犬が流涙症になってしまったら

アレルギー性結膜炎や逆さまつ毛などが原因となる疾患がある場合は、それぞれの治療が行われます。


流涙症の主な原因である鼻涙管閉塞では、他の疾患があればその治療が行われます。


鼻涙管閉塞による治療は以下のようなものが挙げられます。


<鼻涙管閉塞による流涙症の治療>

・鼻涙管洗浄

・外科的治療(手術で涙点の位置を移動するなど)

など


鼻涙管洗浄は、動物の安全のために全身麻酔下で行われることが多いです。
洗浄をしても再度詰まってしまうことがほとんどです。
流涙症が軽度であり、見た目の問題のみであれば、治療を行わないことも多いです。


他の治療には目の周りを着色させる物質を妨げる抗生剤や、着色を薄くする点眼の使用も方法として挙げられます。
しかし、治療をしているときのみの効果であり、耐性菌の出現などの危険性もあります。
そのため、獣医師とよく相談して治療を行う必要があります。


涙点の位置の移動などの外科的治療では眼科専門医に紹介されることもあります。


流涙症はさまざまな病気が原因となっていることがあります。
おかしい様子がみられたら早めに動物病院に連れて行き、しっかりと検査を受け、病気の早期発見を心がけましょう。

他の目の病気一覧

一覧に戻る

※こちらに掲載している情報は、十分に検討・確認した内容となりますが、その正確性、安全性、有用性などについて何ら保証するものではありません。 コンテンツのご利用により、直接または間接であるかを問わず、万が一何らかの問題、損害・損失が発生した場合でも、弊社は一切の責任を負いかねます。コンテンツのご閲覧・ご利用等にあたっては、お客さまご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。 特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。