電話 0120-56-3912(サンキューワンニャンと覚えてください。)
受付時間 平日10:00〜17:00
  1. ペット保険のFPC
  2. 犬の病気事典
  3. 扁平上皮癌

扁平上皮癌

扁平上皮癌

犬の扁平上皮癌とは

扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)とは、上皮細胞の一種である扁平上皮細胞が癌化したものです。

犬の扁平上皮癌では、腹部やそ径部の皮膚、口腔、鼻平面、爪下(指)などによく発生します。※鼻平面とは正面から犬の顔を見たときに鼻の穴がある鼻の面

犬の扁平上皮癌の症状

扁平上皮癌の外観は赤く円状に硬くなったものから、潰瘍(かいよう)やびらん(ただれ)を伴うもの、カリフラワー状に増殖しているものなどさまざまです。


癌の表面に傷が付いていると細菌感染も起こるので、犬が気にして舐め、できものやその周辺の粘膜がただれる、または膿が出ている状態になります。


一般的に扁平上皮癌では、特定の部位に発生したものを除き転移は遅いといわれています。


以下は各部位の扁平上皮癌の特徴です。


<腹部やそ径部などの皮膚>

色素の薄い皮膚に発生することが多く、腹部やそ径部、包皮などでもみられます。


皮膚の扁平上皮癌になりやすい犬種は下のようなものが挙げられます。

・ダルメシアン
・ビーグル
・ウィペット
・ホワイト・イングリッシュ・ブル・テリア
など


<口腔>

口腔腫瘍で扁平上皮癌は比較的よくみられ、多くは歯肉に発生します。骨を侵し広がっていく力も強いです。

本来、扁平上皮癌では転移はあまり早くありませんが、舌の根元と扁桃に発生したものは高い転移率がみられます。


<鼻平面>

鼻平面とは正面から犬の顔を見たときに外鼻孔などがある鼻の面です。主な症状は、鼻平面の潰瘍化、出血、くしゃみなどです。鼻平面の下の組織や骨を侵し広がっていきます。


<爪下(指)>

扁平上皮癌は四肢(足)でもみられますが、その中でも指や爪下によく発生します。

犬種や性別によるかかりやすさは認められていませんが、悪性の爪下腫瘍で被毛の黒い犬種(特に大型犬)が多く含まれていたという報告があります。

指、爪下の扁平上皮癌も骨を侵す動きが活発で、そのほとんどで第三指(人でいう中指で、犬の長い4本の指の内側から2番目)の骨がとけていることが観察されます。


以下のような犬種は、爪下の扁平上皮癌が発生しやすいといわれています。

・被毛の黒い大型犬種
 -ラブラドール・レトリバー
 -スタンダードプードル
 -フラット・コーテッド・レトリバー
 -ロットワイラー
・被毛の黒いダックスフント
など

犬の扁平上皮癌の原因

扁平上皮癌のはっきりとした原因はわかっていません。


扁平上皮癌では、太陽光線にさらされることが癌の発生と関係していると考えられています。他にはウイルス性のパピローマ(乳頭腫)が扁平上皮癌に移行する可能性も議論されています。


扁平上皮癌の検査には、ガラス板を潰瘍やびらん(ただれ)にスタンプし、顕微鏡で細胞を観察する細胞診などがあります。部位や状況によりX線検査やCT検査なども行われます。

また、必要であれば外科的切除で採取された組織で病理組織検査を行います。


犬の扁平上皮癌の予防方法

扁平上皮癌を確実に予防する方法はありません。


扁平上皮癌は早期発見が大切になるので、体にしこりやなかなか治らない潰瘍やびらん(ただれ)がないかを定期的にチェックしましょう。もし異常があれば早めに動物病院に連れて行ってください。

犬が扁平上皮癌になってしまったら

扁平上皮癌は十分な外科的切除が一番の治療法となります。


鼻平面の扁平上皮癌では、十分な切除を行うため鼻平面だけでなく前側の上顎骨も切除する場合があります。

指や爪下、四肢の扁平上皮癌では、患部の骨を切除するため関節離断術(関節で切り、そこから先の骨を取る手術)や場合によっては断脚が行われます。


切除が不可能なものや不十分だったものに対する放射線療法や化学療法(抗がん剤)が試みられた報告もありますが、確立された方法はありません。


切除できない扁平上皮癌ではピロキシカムなど(非ステロイド性抗炎症剤)が使用されることもあります。


扁平上皮癌は早期発見と十分な外科的切除が鍵となります。しこりなどの異常がみられたら早めに動物病院を受診しましょう。

他の腫瘍の病気一覧

一覧に戻る

※こちらに掲載している情報は、十分に検討・確認した内容となりますが、その正確性、安全性、有用性などについて何ら保証するものではありません。 コンテンツのご利用により、直接または間接であるかを問わず、万が一何らかの問題、損害・損失が発生した場合でも、弊社は一切の責任を負いかねます。コンテンツのご閲覧・ご利用等にあたっては、お客さまご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。 特に、実際にどのような治療を行うかは、ペットの状態・種類等はもちろん動物病院の方針等や獣医師の考え方等によっても異なりますので、あくまで参考情報としてご利用ください。